宣戦布告#3 ページ8
Aさんの言っていた通り、川上が到着したのはそれからすぐのことだった。「お疲れ様です」なんて言いながら僕とAさんを見比べて、迷いもせずにAさんの隣に座る。
「速かったね」
「ダッシュしました。近くにいて良かったです」
「今ちょうど川上の話してたんだ」
「そうなんですか？ 俺としては河村さんがAさんとサシで飲んでることの方が気になるんですけど」
「あーそれね。伊沢からAさんが仕事の比率をQuizKnock重視にしてくれるって聞いて、創設メンバーの一人としてお礼言っておかないとなと思って」
「……そうなんですか？」
「え、ああ、うん。めでたく法人化が決まったことだし、私が提示した条件をクリアしてくれるならクソみたいな会社に長時間拘束されるよりも楽しい会社にいた方がいいでしょ？」
まったくそんな話はしていなかったけど、空気を読んだのか合わせてくれるAさん。察しがいいって素晴らしいですね。
けど川上は、同じ創設メンバーなのに自分だけ知らないのが気に入らないのか、心なしかむすっとした表情で、運ばれてきたビールを飲んでいる。
「ついでにTwitterの件もお伝えしたらこの場で作ってくれて。いやあ本当に、なんで今までちゃんとお話ししなかったのか不思議ですよ。ねぇ、Aさん」
「ｿｳﾃﾞｽﾈｶﾜﾑﾗｻﾝ」
「なんで急に敬語なんですか。僕のことは下の名前で呼んでいいって言ったじゃないですか」
「ｿｳﾃﾞｽﾈﾀｸﾔｸﾝ」
それまで楽しく話していたのに急に片言になったAさんが面白くて、ちょっとした悪戯心から意地悪を言ってみれば、面白いぐらいに期待通りの反応を返してくれる。
「河村さん」
「ん？」
「Aさんを困らせるのはやめてもらっていいですか」
「なんで？」
「この人、俺がもらう予定なんで」
サラッと言った川上の言葉に、僕以上にAさんが驚いていた。いや、あなた本人に直接言われたんじゃないですか？ 二回目なのになんで驚いてるんですか。
「んー……けど予定でしょ？」
「予定だけどほぼ確定なんで。俺以外認めない」
「川上は、俺なら大丈夫だと思って話したんじゃないの？」
「逆です。河村さんだけは近付けたくなかったんで」
「――え、そうなの？」
聞き返したのはAさんだった。
「Aさんと一番気が合いそうなのは河村さんだと思ったので」
……今日は驚いてばかりだなあ。
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氷室(プロフ) - ゆうさん» 遅レスで申し訳ないです。コメントありがとうございます。中身だけでなく文法まで見ていただいてありがとうございました。いつかまた書きにきます！ (2021年8月17日 19時) (
レス) id: 1bccd1cc64 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - 凄く面白いし文法しっかりしてるしてるし、2人がくっつくまで最後まで見たかったのが悔やまれます (2021年8月5日 11時) (レス) id: b752a04231 (このIDを非表示/違反報告)
氷室(プロフ) - シャボン玉さん» コメントありがとうございます。14時代からのラベンダー推しです！分かる人がいてちょっと嬉しいです笑 (2019年12月22日 20時) (レス) id: 5b43cc9a48 (このIDを非表示/違反報告)
氷室(プロフ) - 七海さん» コメントありがとうございます。川上さんが子供っぽすぎるかなあと思っていたので、可愛いと言っていただけて嬉しいです。今後もよろしくお願いいたします。 (2019年12月13日 18時) (レス) id: 5b43cc9a48 (このIDを非表示/違反報告)
七海(プロフ) - こんな川上さんいたら、キュン死にする。かわいい(´・ω・｀) (2019年12月13日 16時) (レス) id: b66e2f7b3d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：氷室 | 作成日時：2019年11月27日 0時
