賽は投げられた#3.5 ページ5
SIDE IZW
「QuizKnockって社内恋愛OKなの？」
それは法人化から数日経ったある日の朝だった。QuizKnockとの契約を改めて交わそうとオフィスに呼び出したAさんが、契約書を眺めながらそんなことを聞いてきた。
「別に禁止はしてないよ。仕事に支障が出るようならこっちも介入せざるを得ないけど、大人なんだしそこは上手くやってって感じかな」
「ふーん」
「何で？」
「川上くんにプロポーズされた」
「あーなるほど、それで。……って、えぇっ!?」
川上が!? しかもプロポーズ!? え、いつ!? いやそもそも付き合ってたの!?
衝撃的な発言に思わず声量が大きくなる。矢継ぎ早に問いかけるとAさんは「うわっびっくりした」なんて目を見開いていた。
びっくりしたのはこっちだから！ まだ誰も来てなくて良かった！
「付き合ってはないけど、結婚を前提に付き合ってくれって、この間の動画撮影した後の飲み会で。いつからかは知らん」
「あの日か……。え、なんて答えたの？」
「チャンネル登録者数が100万人いくまで誘惑してみてって答えた」
「それって今年度中ってことじゃん」
「お、強気に出たね。けどそう、今年度中。頑張れば今年中も夢じゃない──うん、契約はこれでいいよ」
話しながらもちゃんと書類は読んでいたようで、鞄から判子を取り出し始めるAさん。
余談だがフリーランスとしてのAさんの契約料金は、紹介してくれたFalconさん曰く結構なものらしい。QuizKnockにSE兼動画出演メンバーとして入れば、少なくとも動画撮影の時間は他の仕事ができないのに、契約を交わしてくれると聞いた時は思わずうちでいいのか聞き返してしまったくらい。
理由を聞いたら「SEをただの便利屋としか思ってない、考え方が古い老害達に囲まれて仕事するより、SEの仕事を尊重して新しい技術にも貪欲な若い会社で働いた方がいいに決まってる」と言われた。名だたるIT企業の社員さんを老害呼ばわりできる人を、俺はAさんしか知らない。
「しかしあの川上がなー」
「そう思ってるなら、可愛い子紹介してやりなよ。こんな適当に生きてるオバサンより、若くてしっかりした子の方がいいでしょ」
「いやいや、Aさんだって十分若いでしょ」
「それ、アラサー女には嫌味と取られるから気を付けなよー」
判子を押した書類を机に置いて、この後仕事だから、と出ていったAさん。
……いつの時代も女性に年齢の話はご法度だ。
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氷室(プロフ) - ゆうさん» 遅レスで申し訳ないです。コメントありがとうございます。中身だけでなく文法まで見ていただいてありがとうございました。いつかまた書きにきます！ (2021年8月17日 19時) (
レス) id: 1bccd1cc64 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - 凄く面白いし文法しっかりしてるしてるし、2人がくっつくまで最後まで見たかったのが悔やまれます (2021年8月5日 11時) (レス) id: b752a04231 (このIDを非表示/違反報告)
氷室(プロフ) - シャボン玉さん» コメントありがとうございます。14時代からのラベンダー推しです！分かる人がいてちょっと嬉しいです笑 (2019年12月22日 20時) (レス) id: 5b43cc9a48 (このIDを非表示/違反報告)
氷室(プロフ) - 七海さん» コメントありがとうございます。川上さんが子供っぽすぎるかなあと思っていたので、可愛いと言っていただけて嬉しいです。今後もよろしくお願いいたします。 (2019年12月13日 18時) (レス) id: 5b43cc9a48 (このIDを非表示/違反報告)
七海(プロフ) - こんな川上さんいたら、キュン死にする。かわいい(´・ω・｀) (2019年12月13日 16時) (レス) id: b66e2f7b3d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：氷室 | 作成日時：2019年11月27日 0時
