星空を飛んで

1スターの原石 ページ17

.Lip J





「Kグループ イ ハヌルです。よろしくお願いします。｣




JELLYFISH ENTERTAINMENTのマンネ、イハヌル。



登場からその美貌で注目を集めたが、レベルは1スター。



ビジュアルはアイドルそのものだが、正直実力はまだまだでもったいない…なんて思っていた。



登場するだけで息を飲むような存在感を放ち、私たちトレイナー陣も彼のビジュアルに釘付けになる。




「ヤー、ハヌルは今日も綺麗だなあ」



「本当に。どれだけ成長してくれてるかな。彼はすごく楽しみだ。」




実際にレッスンをつけていたヨンジュン先生とソクフン先生から期待の声が上がる。



レベルテストぶりの彼に私も楽しみだ。彼のダンスは力強さは足りないものの、しなやかさや表現力は曲によって素晴らしく輝くだろう、とレベルテストのときを思い出す。





.





曲が始まった瞬間、場の空気が変わったのを感じた。



ボーカルの専門でない私にも分かるほど素晴らしい発声。



ダンスも荒削りさは見受けられるものの、前回とは比べ物にならないほどの完成度。歌詞に合わせた表情管理、表現力。



どれほどの練習量を積んだんだろうか。



目の前に立つ彼は、紛れもなくアイドルだった。




「はぁ、はぁ、ありがとうございました！」




あっという間に評価は終わり、彼が出ていってからも余韻に浸る。まだまだ見ていたい、そう思うパフォーマンスだった。




「オールスター」




誰からともなく声に出た、最高評価。




「改善点としては挙げたらキリがない。でも、オールスターに値するパフォーマンスだったと思う。」



「僕らは原石を見つけてしまったみたいだ。」




サバイバルのトレイナー経験のあるソクフン先生のこれ以上ない褒め言葉だろう。

眩しいほどに→←テスト前夜

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す