1スター練習室 ページ13
.
シグナルソングテストに向けた練習初日。
僕らの練習室はそれはもう静かだった。
元々1スターには人が少ない。1スターになるくらいだからまあダンスも歌も得意、という人はいない。
ヨンジュン先生に大まかな振り付けをまず教えて貰って、そこからディテールを詰めていく。
当たり前のような練習だけど、僕らにとっては重労働。
「ウンギヒョン、ここ、どうやってやるんですか…？」
「あーそれはね……」
こうやって教えてくれるヒョンもたくさんいるけど、とにかく雰囲気が暗い。
ヨンジュン先生も口には出さないけどあまり僕らの練習風景をいいとは思っていないみたいで、表情はずっと暗い。
結局、そのまま振り入れだけで今日のダンスレッスンは終わってしまった。
ボーカルレッスンも終え、一通りの歌とダンスを覚えた僕らは、誰からともなく自主練を始める。
重い雰囲気の練習室は酸素が足りないんじゃないかと思うくらい息苦しくて、果たしてこれからやって行けるのだろうか、という不安が襲いかかってくる。
くよくよなんてしていられない。テストはすぐそこに迫っているんだ。
.
迎えた2回目のレッスン。僕らは窮地に立たされていた。
「はっきり言って練習不足。指導するところなんて何もないよ。指導するもなにもダンスでもなんでもないんだから。」
完全に士気が下がって練習に身が入っていなかった自覚のある僕らには言い返す言葉もない。
「特にハヌルヤ。それじゃあノースターの子たちよりもレベルが低い。ここにデビューをしに来た練習生とは思えない意欲だと僕は思うよ。｣
「はい…すみません、」
「とにかく、一人ずつもう一度教えていくから。広がって。ほら、時間は限られてるよ。」
事実だ。事実なのは分かってる。なのに何を直せばいいのかがわからない。今までの僕ならこれで褒められていたはずなのに、どうすれば求められる僕になれるかが分からない。
「次はハヌルだね。どこがわからないとかある？無かったら始めからやるけど。」
「始めから、お願いします…」
.
「いいんじゃないかな。最初よりはまし。前も言ったけど、ハヌルは体の使い方が自分でもよくわかってないんだ。少しずつでいい。感覚を掴んでいくといいよ。いつでも疑問があったら聞きにおいで。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 207人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りんゴリ子(プロフ) - 素敵なお話なので名前変換できると嬉しいです (1月9日 12時) (
レス) id: a0c18f2b4d (このIDを非表示/違反報告)
ろんな(プロフ) - 行かん開きすぎて読みづらいです... (1月7日 0時) (レス) @page17 id: 1a788f23e1 (このIDを非表示/違反報告)
みさき(プロフ) - 主様のお話すごく好きです！！これからも更新頑張ってください😚💕読むことがとても楽しいです！！ (1月6日 21時) (レス) @page20 id: 11232c2a4c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みるくてぃ | 作成日時：2024年1月4日 18時
