第3話 ページ3
か、関わらないようにした矢先になんで……？
そんな事思いながら混乱していると、聞いていた類くんがクスリと笑った。
「僕がAさんにぶつかったお詫び、として誘おうと思ってね。迷惑だったかな」
『全然そんなことないです……！！』
眉を下げて述べる類くんに思わず立ち上がって敬語で答えてしまった。
目をぱちくりと瞬きした後に、クスクスと笑う類くんを見て再び顔が熱くなる。
やってしまった……。
「フフフ…ならよかった。まずは購買に行こうか、司くんとAさんは弁当かな。」
「ああ、オレは弁当だな。」
『あ、私も購買で……弁当作る時間なくて。』
「む、自分で作るのか！」
そんな話をしながら購買へと向かう私たち。
ま、まあお詫びだし……これくらい、良いよね……？
.
「類……お前は何故野菜を食べないのに買うんだ？」
「司くんに変えてもらおうかと」
「これ以上変えてたまるか！」
「これしかなかったんだ」
私の後に購買から帰ってきた類くん。
類くんの手には野菜が入ったサンドイッチだ。
そっか、類くん野菜苦手なんだっけ……。
『良かったら……フルーツサンドと、交換する？』
「！いいのかい？」
よよよ……と泣き真似をする類くんにそう問いかけると、類くんは ぱっと表情が明るくなる。
え、かわいい。
「お、おい、流石にそれは……」
「止めないでくれ司くん、Aさんは僕が苦しみを味わう寸前に助けてくれようとしているんだよ」
「大袈裟過ぎるだろう！！」
『ふふ……私は大丈夫だよ』
本当はフルーツサンドが食べたい気分だったけど、野菜も食べれるから交換することにした。
流石に無理して食べてる類くんを見たくない…からね。
フルーツサンドと野菜のサンドイッチを交換すると、類くんは上機嫌になり、るんるんとしている。
え、かわいい(2回目)
「ありがとうAさん♪」
「全く……。すまんな、此奴は野菜全般がダメでな。一口すら食べてくれんのだ。」
無理矢理食べさせようとすれば誤解を招く言い方をされる、と苦い顔を浮かべる司くんに思わずくすりと笑ってしまう。
確かエリア会話で、僕が悶え苦しむところを見たいんだね……的なこと言ってたっけ。
そんなこと思っていると後ろから げ、という声が聞こえた。
振り向くと、オレンジ髪の少年と青と水色のツートンカラーの少年が。
え……
『(東雲彰人と青柳冬弥…！！)』
そうだ、司くんたちがいるなら彰人くんたちもいるんだ…！
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作者名：ゆゆ | 作成日時：2024年1月14日 17時
