29話 ページ30
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それから また、数日が経った。
俺は 暫く放浪していたのだが ──── 腹の限界、体力の限界。
色々あって 近くに見えた 島に上陸する事にした。
その島に入って 分かった事は 一つ。
「どこに行っても、
ここで 追い掛けられたりしたら 面倒になるので
一応
人の多い所に行けば安全だろうと思ったので、この島にある 広場に足を向けた。
取り敢えず 食べ物と、洋服類を 何とかしないと。
海で 洗ったりしたが ──── 服には 薄く血が付いているから。
「でも、俺…」
金を持ってないんだよな。
うーんと頭を悩ませていると。
「お嬢ちゃん、どうかしたのかい?」
「…!」
声を掛けられた。
杖を付いている 島の住民であろう お爺さん。
思わず きっと彼を睨みつけて、警戒心を丸出しにしてしまう。
すると お爺さんは何が面白いのか ──── くつくつと笑い出した。
「いや、すまんね。あまり悪く思わないでくれ、お嬢ちゃん。
名前は?」
「 ──── お前は 誰だ」
「ワシは フリーツ・トルド。ここの島の住民じゃよ。
そこらを散歩してたら 君が 何か悩んでいる様子だったからねぇ、気になって 声を掛けた」
悪い人、では 無さそうだ。
そう思ったので 俺は 躊躇いながらも 口を開いた。
「俺の名前、は……夏目 A。
よろ、しく…」
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霊歌 - 続き、楽しみです!最近の天気、どう思いますか?雨が降ったり、台風がきたり・・・ (2017年10月22日 21時) (レス) id: 58be3fa0de (このIDを非表示/違反報告)
油冷 - 霊歌さん» ありがとうございます! (2017年10月17日 20時) (レス) id: 79151c8825 (このIDを非表示/違反報告)
霊歌 - 大丈夫です!それまで楽しみにしてます!! (2017年10月12日 12時) (レス) id: 58be3fa0de (このIDを非表示/違反報告)
油冷 - 霊歌さん» ちょっとずつの更新になりますがね。気長に待っていてもらえると嬉しいです。 (2017年10月11日 21時) (レス) id: 79151c8825 (このIDを非表示/違反報告)
霊歌 - そうですか・・・続き、楽しみにしてます!!ヒロインの過去、凄く気になります!! (2017年10月8日 23時) (レス) id: 58be3fa0de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:油冷 | 作成日時:2017年4月22日 18時