【忍たま】【短編集】きみと一緒にいるだけで (ページ10)

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池田三郎次ページ10

あなたは二年生という設定です！

Aが倒れた。というのも、病気や大ケガなんぞではなくて、ただの熱だけど。

前の日、二年生全員で鬼ごっこをしていたら突然大雨が降り出した。

それでも構わず走っていた結果、アイツだけが熱を出したのだ。

もちろんぼくや左近達も、軽い風邪はひいたけれどね。Aは元々風邪気味だったしなぁ、こうなってもおかしくはない。

今はお見舞いに行く所。

「でも、ただ話すだけじゃ気まずいな…」

どうしよう？

それから数分後。

「失礼します」

ガラッと医務室を開けると、顔を真っ赤にして寝ているAがいた。
枕元にそっと摘み取ったばかりの花を置く。

「こんな事しか出来ないけどさ…」

苦しそうに目をつぶるAに続ける。

「早く良くなれよ！お前がいないと、何しても楽しくねぇんだから」

いつも家で母さんがしてくれたように、布団をかけ直す。

部屋を出ようとしたその時、

「三郎次…」

か弱い声の方を向くと、Aが頭だけ上げるのも精一杯という感じでしゃべった。

「花、きれいだね」
「むっ無理して起きるなよ」
「あのさ、…はぁ」

ふらつくその体を支えてあげると、近距離で目が合って、思わず胸が飛び跳ねる。

「寝込んじゃったけど…前はありがとう。すっごく楽しかった」
「あ、あぁ。こっちも」
「また今度、一緒に遊ぼうね」
「もちろんだよ！だから今は、ゆっくり休んで！」

そう言うと、Aはほっとしたみたいで、すぐに眠り始めた。

ぼくの大切な人。Aにはこの言葉がピッタリに思える。
＿＿少なくとも友達とは違う気がした。