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水族館でのデートを経て、わかった事がある。
ひとつ、彼はとにかく初心だったということ。
彼曰く、どの程度なら引かれないのか、どの程度の塩梅が良いのか分からず敬遠してしまっていたらしい。
そしてもうひとつ、
「A、愛してる」
「なんでそっち向いてんの？こっち向けよ」
「…いや、可愛いなって思ってただけ」
彼はもう、初心では無くなってしまった、という事。
どうやら本当にただ程度が分からなかっただけのようで、私が『シャークんの思ってること全部伝えて欲しい』と言ったっきり、この有様だ。
何度も何度も"本当に良いんだな？"と念を押されたのが気がかりだったが、まさかこういう事だったとは。
待ち合わせの第一声では必ず"可愛い"と言ってくれ、歩く時には勿論恋人繋ぎ。帰り際には"離れたくない"と寂しい気持ちを隠すこともなく縋ってくるし、おはようとおやすみLINEだって欠かさない。
現在のシャークんも、私の手に深く五指を絡ませながら、行き先のレストランに着いて語ってくれている。公衆の面前である事などお構い無しだ。
全く、あの頃の初心な彼はどこへ行ってしまったことやら。
…いや、きっと違う。
「なあ、彼氏といんのに考え事？」
楽しんでるのは俺だけかよ、といじける彼に、私は慌てて訂正を入れた。
きっと今までが猫かぶりのようなものだったのだろう。
「ふっ、必死すぎだろ。あー、本当可愛いな、Aは」
初心な彼など、初めからどこにもいやしないのだ。
𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄
テスト前に慌てて書いたので、今後大幅な推敲がなされる可能性大です
明後日テストだ、、、
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作者名：えん | 作成日時：2023年9月26日 17時
