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ラスト・デイ ページ9

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訪れたその日も、至っていつもと変わらない一日になりそうだった。


朝早くからお昼くらいにかけて続々と仕事に出掛けていくメンバーを見送って、合間に食べて行く人には軽く朝ご飯を作ったり、昼過ぎまで寮にいる人と一緒にお昼ご飯を食べたり、やっぱり壱馬くんとは会話がなくて気まずいままだったり。


いつもと違う事があるとすれば、逐一みんなが名前を呼んでくる事だろうか。
やたらと褒めてくれたり感謝されたり、そんなのが多い事くらいだ。
最終日仕様が随分あから様すぎるような気もするが、一応、気持ちは有り難く受け取っておこう。



今日は、殆どのメンバーが寮で過ごす最後の日になるらしい。
とは言え私が変に意識するのはどうかと思うから、いつも通りの仕事を最後まで全うしようと決めていた。
けどそんな風にみんなの方が意識してくるから、こちらも何だか釣られてしんみりしてしまいそうだ。
今生の別れでもあるまいし、とは思うけれど。

みんなはそれぞれどうなのか分からないけど、私はこういうのは別れてみて数日しないと実感できない派なのでイマイチ、今は寂しさが分からない。
明日もまた同じような日常が待ってるんじゃないかと何処かで思ってる自分がいるのも事実だった。


とは言っても1日の大半は一緒に過ごしていないわけだし、何もそんなにと思ってる間に、最後のお見送りをして、最後のお出迎えをして、最後の夕食を作って、最後のおやすみをみんなとする時は思わずぐっとくるものがあった。


絶対みんなには馬鹿にされるから言わないし、表情にも出ないように堪えたけど、北ちゃんとか岩谷くんとか先に涙ぐまれたから引っ込んだ部分もある。

また明日の朝会うじゃん!って口にした私は果たして上手く笑えていたんだろうか。



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最初の日にみんなと決めたルールで、私は一番最後にお風呂に入ることになっていた。

当初は、女の子なんだから〜と一番風呂を勧められたけど、食事の後片付けとかを考えると効率が悪くなってしまうし、「最後にゆっくり浸かりたいから」って、そんな自分の意見をみんなに言うことすらも勇気が必要だったあの頃が懐かしい。
芸能人様相手にこんだけでかい態度で接するようになるとは、あの頃の私が聞いたらビビり散らかすだろうな。

みんなが寝静まったこの時間に入るお風呂が一日の中で何より好きだった。





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設定タグ:THERAMPAGE , 川村壱馬 , 吉野北人   
作品ジャンル:恋愛
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ミラン(プロフ) - 壱馬のデレ感がたまんないです!続き楽しみにしています! (2022年2月7日 11時) (レス) @page18 id: 2b4fe2f5e3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:も。 | 作成日時:2020年12月20日 21時

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