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「だって、何が悪いか全然分からんねんもん」
「いや全部でしょ!だってもし私なんかと付き合ったとして良いことないじゃないですか!」
「お互い好きやのに、付き合われへん意味のがわからんわ」
「まず私達が付き合うのには障害がありすぎますって、バレたらそれこそやばいし、っていうかそもそも今日が終われば会わなくなると思いますし、」
「Aに迷惑かけへんようにちゃんと考える。ってかバレたらバレたでなんも隠すことない」
「え?!いやっ、で、でも壱馬くん仕事とか忙しいと思うし」
「毎日連絡するし、空いた時間見つけて会いに来る」
「で、でも私も大学始まるし今までみたいには」
「俺も無理はせんし、Aにも無理はさせへんから。でも、ちゃんと予定は教えて」
「わ、私、連絡もマメにできないし、」
「今更やろそんなん知ってるわ。俺のLINEは返さへんくせに慎のLINEは返してんねんもん、なあ?」
「えっ!?いつの話?!てかなんで知って、」
「もう他には文句ないん?じゃ、付き合おや」
どれだけの抵抗も圧倒的なまでにブレない壱馬くんを前にしたら何の意味も無さなくて、ごくりと生唾を飲み込む。
これで、これで本当にいいのか?
脳内で自分以外が答えを出してくれることなんて無いことなんて分かっていて、それでも自問自答を繰り返す。
何故かなんて言うまでも無い。
自分の素直な気持ちと、今までの人生経験からして取るべきであろう最善の行動とが合致していないからだ。
こんなその場の勢いと、壱馬くんからのぐいぐいくる押され気味な態度と圧力だけで、人生を左右する決断をして良いのだろうか。
いいや、よくはない気がする。
…例えば、誰かに相談するとか。
相談相手その1になり得るであろう、脳内のまこっちゃんは「は?!ここに来て何言ってんすか、俺の努力も考えてください」ってキレながら崖から突き落とさんばかりの勢いで背中を押してくる。
それ以外の相手を思い浮かべようとしたけど、他に良い相談相手が思い浮かばなかった。
こんな土壇場にきて自分の悲しすぎる人間関係にも気付かされてしまい、二重に絶望する。
じゃ、じゃあ例えば、一晩じっくり考える、とか……?
「仮で…」
「は?」
「お付き合い(仮)で!」
「はあ?」
「だって実際にやってみないと上手くいくかわかんないですし!」
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ミラン(プロフ) - 壱馬のデレ感がたまんないです!続き楽しみにしています! (2022年2月7日 11時) (レス) @page18 id: 2b4fe2f5e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:も。 | 作成日時:2020年12月20日 21時