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そんな彼らの住むところだから、ちょっとしたわかりにくいところ?とやらにあるわけなんだけども…
本当にわかりにくい。
惜しいところまで来てるはずなんだけどなあ
寮の前には警備員さんが立っているらしい。
とりあえずたどり着いて、その人に事情を説明して入れてもらえとのお達しだが、そんな寮っぽい建物&警備員さん付きの住居が見当たらない。
あまり地図が得意なわけでもないのでスマホのマップを指で拡大してみるが、うーんよくわからん。
最終手段として母が託したのは、
その社長さんの電話番号とやらなのでできればかけたくないんだけども。
よしとりあえず付近をもう一周してみてから考えよう、と意気込んで一歩踏み出そうとした時だった。
ふわりと香る爽やかな香水の匂い。
ふと目で追うと横を通り過ぎていったのは、小柄な男性だった。
ニット帽にサングラスが印象的な彼は、一見不審者っぽい。
けどあれは違う。
一目見ただけでも芸能人だと思わせる納得のオーラ。
身につけていた小物が高そうだし、何よりあのアウターは私が昨日のネットショッピングでさすがに手が出せないわ〜と諦めたばかりの某ブランドのものだった。
変に細かいところまで目に入ってきた彼を思わず凝視してしまう。
すると通り過ぎたはずの彼はくるりと振り返って遠慮がちにこちらに視線を向ける。
なんとなーく予感はしてる。
多分それはこっちだけじゃなくてあちらも。
ただこういう時、多分お互いにどう声をかけたらいいのかわからないといった感じの気まずい空気が流れていた。
いやここは曲がりなりにも雇われの身として私が切り出せねば。
迷子になったのは私なんだし。
呼吸を落ち着かせて、よしと意気込んだところで数歩手前で先手を打たれてしまった。
「あのもしかして今日から寮母さんの」
「はいそうです!よろしくお願いします!」
数秒の差でまさかのあっちから話しかけてきて、
びっくりしたあまりつい体育会系のクセが出てしまい、食い気味の返事になってしまう。
うわ恥ずかし…。
そう思った時にはもう遅かった。
けど私の反応を見て、
警戒心が解けたかのように声を上げて笑う彼に思わず私もつられて微笑んでしまう。
うん、まあ結果オーライかな。
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ナイロン(プロフ) - はじめまして!お話楽しく読ませて頂いています!最近RAMPAGEを好きになったばかりで作者さんの仰っていた占ツクに作品が少ない理由を知らないのですが、教えていただけませんか…? (2019年11月19日 15時) (レス) id: 0dbb836090 (このIDを非表示/違反報告)
も。(プロフ) - 紗綾さん» はじめまして〜!ご指摘ありがとうございます!実は今は読みやすさ重視で行間開けて書くようになったりしているのですが、何卒はじめの方の話にまで修正の手が回っていなくて…すみません。時間のある時に修正させて頂きますね! (2019年6月1日 13時) (レス) id: db66c21382 (このIDを非表示/違反報告)
紗綾 - はじめまして(*^^*) いきなりすみません...。 物語読んでいて思ったのですが...。 0-2のここの台詞が被ってるから行間隔が詰まっているのでしょうか? 「暇でしょ」 「…まあそうともいうけど」 行間隔が詰まっていると読みにくいので あけてはどうでしょうか? (2019年5月28日 17時) (レス) id: fa78cdaff1 (このIDを非表示/違反報告)
はる子(プロフ) - ゆあさん» ありがとうございます( ; ; )なるべくできるよう頑張りますね! (2019年3月13日 10時) (レス) id: d6e6231860 (このIDを非表示/違反報告)
ゆあ - 更新待ってます (2019年3月13日 3時) (レス) id: 0eaf3d3c12 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:も。 | 作成日時:2019年2月21日 12時