曲の中には物語が【WT】

誰かの心臓になれたなら(なか×きん) ページ5

-なかむ-
俺は学校で虐められている。

そして、家では親から虐待を受けている。

俺はもう、ﾀﾋにたかった。

生きる理由なんてなかったのだから。

俺は、こんな醜い世界が見たくなくて、片方の目を髪で隠しているんだ。

こんな俺を救ってくれたきんときに最初で最後の愛の言葉を…

きんときは病気で、時々声が出なくなってしまう。だけど、優しいんだ…

家も人も歪んでいる。

人は化け物の様だ。

欲望にまみれている世界が片方の目に映るんだ。

俺も所詮は手の上で踊らされているんだ。

産まれた意味だって知らない。

夢はもう錆び付いているんだ。

こんな世界と嘆く誰かの生きる理由になれる？

いつか終わるんだと知った日からﾀﾋへと秒を読む心臓なんだ。

ねぇ、このまま雨に溺れて藍に溶けたって構わないから、どうかまたあの日のように傘を差し出し笑って見せてよ。きんとき。

もしも夢から覚めなければ現実の辛い世界を忘れられたのに…

ほどけた指から消えていく温度。

彼は横へ倒れていく…

血を巡らせたのは誰の思い出？

机に咲く花も、きんときの声も最初から無かったみたい…

ﾀﾋにたい俺は今日も息をしているのに、

生きたいきんときは余命を宣告されて…

いずれﾀﾋぬのが人間なのに、なんでこんなに悲しいのかな…

『永遠』なんてないけど、『思い通りの日々』じゃないけど、脆い糸に繋がれた次の夜明けがまた訪れる。

どんな世界でもきんときが居るのなら『生きていたい』って思えたんだよ！

俺の地獄できんときはいつでも絶えずに鼓動してた心臓だよ。

でも…もうきんときはいなくなるんだ…

もう、生きる理由なんてなくなったも同然なんだよ！

だから…俺もきんときの所にいくね？

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