116:無邪気な希望 ページ24
▽.
「Aさん、選手やめたんですか?」
待って空気読もう???
まだ烏野2年がいるんですが
皆固まってんじゃん
そして、入り口付近で話し出すのやめよう???
今しがた体育館を出ようとしたメガネくんがめっちゃ困ってるじゃん!
『ええっとね...』
どっか人がいないとこに移動しようかと思ったが、今移動するのは逆に気まずい
そして、追撃ちは日向くん
「お、俺も聞きたいです!」
凄い人だったんですよね?!と、悪気はないんだろうが聞いてくる
『あ、あはは...』
観念して私は足がもう競技において使いものにならないこと、すなわちもうバレーはできないことを話した
いや、隠してた訳ではないんだけどね
「そ、そうだったんですか!すみ、すみません!」
『あはは、いいよ。気にしなくて』
やっぱりこういう空気になりますよね
どうしようかな、この空気...なんて思いながら、ふと日向くんのことを見ると何やら考え込んでいて、時折こちらに視線を送ってまた考えてる
『..?えっと、どうかしたの?』
そう聞くと、え いや あの..と言いづらそうにする日向くん
『いいよ。なあに?』
「いや、あの...。俺だったらどうするかなって考えてて..」
その、怪我したら...そう小さく言う日向くん
なんだそういうことか、と思い興味半分で日向くんならどうするの?と聞いた
「う〜ん。音駒の..、あ、えっと、知り合いのセッターにほとんど定位置から動かないセッターがいるんですよ!周りのレシーブのおかげなんすけど...。それなら..」
「ブロックどうすんだよ。足使わなきゃ無理だろ」
「あ、そっか。って影山!じゃあお前ならどうすんだよ!」
「あ?...片足でケンケン?」
「王様バカなの?」
動かないでバレー?ケンケン?
馬鹿げている。馬鹿げているけど、そんな答えが出てくるのは日向くんたちがバレーを愛しているからだろう
足を怪我しようが何だろうがバレーをやりたい、いや、やるんだという強い思い
そして、そんな馬鹿げている答えを笑い飛ばすことが出来なかったのは、多分そんな彼らの考えに希望を見出だしてしまったから
“もしかしたら、またバレーが出来るかもしれない”なんていう希望
「うーん。じゃあ大人しく医療の進歩を待つ!!」
そんな日向くんの言葉が私の心を揺らした
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初月(プロフ) - ユキナさん» ありがとうございます!!更新がんばります! (2022年2月9日 17時) (レス) id: d18d3b542f (このIDを非表示/違反報告)
ユキナ(プロフ) - 最初から読み始めておもしろくてすぐ読んじゃいました!!更新頑張ってくださいね! (2022年2月5日 23時) (レス) id: fcc38ebda0 (このIDを非表示/違反報告)
初月(プロフ) - おもちさん» えぇ...嬉しいです(泣)ありがとうございます!頑張ります!! (2021年9月28日 17時) (レス) @page24 id: 35c19a5e2a (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - この作品ちょー好きです!!これからも応援してます!! (2021年9月24日 20時) (レス) @page21 id: 0550ba15c4 (このIDを非表示/違反報告)
初月(プロフ) - 凛/月影/霖さん» ありがとうございます!!ここからの展開はもう決めてあるので、どんどん更新予定です! (2021年8月20日 11時) (レス) id: 35c19a5e2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:初月 | 作成日時:2021年8月17日 9時