107：幸せの形 ページ15
▽．
ついつい、自分の夢を熱く語ってしまい恥ずかしくなる
その恥ずかしさを誤魔化すように、宮は何になりたいの？なんて分かってるのに聞いた
「んー、俺は“飯”に関わる仕事やな」
『あー、前侑と喧嘩してたよね』
女バレと合同で体育館を使ったとき、聞こえた喧嘩
大声だったから、会話の内容ははっきり聞こえて
“なんで、バレー続けてる方が「成功者」みたいな認識なん？？”
そのときはあんまり気にしてなかったけど、バレーが出来なくなってその言葉が身に染みた
「あー、あれな」
宮はあの時の喧嘩を思い出したかのように苦笑いをして言った
「まあ、何をもって幸せとするかなんて人それぞれやからな」
そんな宮の言葉が心に響いた
．
「あ、足はもう平気なん？」
帰る方面が一緒なので、一緒に帰っていると宮がそう聞く
『うん。もう軽く走るくらい余裕だよ』
余裕、はちょっと言い過ぎたけど、軽く走るのは大丈夫
『でも、体育は基本見学だし、体育祭にも出ちゃダメって言われた』
体育祭に出られないなんて、体育祭ガチ勢の私からするとかなりの悲報なのだ
徒競走で一位とりたかった．．．なんて小学生のような呟きを漏らすと、宮が真面目な顔して「．．ほうか」なんて返すから、ちょっと恥ずかしくなる
．．．だって、一昨年は学年１速い陸部の子と走ったから２位だったんだもん
．．．去年は、宮に気とられててビリだったし
「次はー〇〇駅〜、〇〇駅〜」
アナウンスが聞こえ、私の最寄駅にもうすぐ着くことを知る
『ごめん宮、荷物持ってもらっちゃってありがとう』
電車は満席で座れなかったから、せめてもと荷物を持ってくれたのだ
「．．．．俺のことも、名前で呼んでくれん？」
少しの間の後、宮がそう言う
「なんか、距離あるかんじして嫌やから」
恥ずかしそうに目線をそらしながらそう言う宮に母性本能をくすぐられる
『ん、もちろん！』
バイバイ、と別れを告げて電車を降りた
．
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 646人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
初月(プロフ) - ユキナさん» ありがとうございます！！更新がんばります！ (2022年2月9日 17時) (
レス) id: d18d3b542f (このIDを非表示/違反報告)
ユキナ(プロフ) - 最初から読み始めておもしろくてすぐ読んじゃいました！！更新頑張ってくださいね！ (2022年2月5日 23時) (レス) id: fcc38ebda0 (このIDを非表示/違反報告)
初月(プロフ) - おもちさん» えぇ．．．嬉しいです(泣)ありがとうございます！頑張ります！！ (2021年9月28日 17時) (レス) @page24 id: 35c19a5e2a (このIDを非表示/違反報告)
おもち(プロフ) - この作品ちょー好きです！！これからも応援してます！！ (2021年9月24日 20時) (レス) @page21 id: 0550ba15c4 (このIDを非表示/違反報告)
初月(プロフ) - 凛／月影／霖さん» ありがとうございます！！ここからの展開はもう決めてあるので、どんどん更新予定です！ (2021年8月20日 11時) (レス) id: 35c19a5e2a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：初月 | 作成日時：2021年8月17日 9時
