第140話 "バディ結成" ページ44
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「この機械、すごい。あらゆる情報が一気に集結されていて、なおかつ羅列された情報が美しいって思ちゃうくらいに整理されてる。」
確かに、操作するためには航海士としての知識が必要であるが、航海士だったら喉から手が出るほど欲しくなってしまうような魅力的な道具だ。タッチパネル一つで複雑な動きも可能なこの機械をつくった開発者はとてつもない天才なのだろう。
そんなことを考えていると、急に目の前の画面にかたつむりのマークが表示される。焦点をそこに合わせることでかたつむりのマークが選択され、画面が切り替わる。目の前に初老の男が映し出される。どこかで見たような…。
「おいおい、お前だれだ?機械が作動したんで、てっきりストーアンが、炎症した手を無理やり動かしてんのかと思ったら、ずいぶんかわいい顔した海兵ちゃんだなぁ?」
ストーアンというのは、この機関室の航海士、つまりAのことを先ほどから感心して見つめているのことだろう。それよりも驚きなのが、そのストーアンと呼ばれた男と、目の前の男が瓜二つだということだ。まるで同一人物のようだ。
Aの表情から何かを察したのであろう、目の前の人物が口を開く。
「自己紹介が遅れたな、俺はギダーノ。ストーアンは双子の俺の弟だ。俺たち二人はこの道50年のベテラン航海士なんだぜ。俺が操縦室で船の方向を導き出して、ストーアンが機関室でそれに従ってエンジンを操作を…。」
急にギダーノが言葉を区切って、何か遠くを見つめる。そして、先ほどまでの砕けた口調とは一変。キビキビとした威圧感のある声で指示を下す。
「進路方向に障害物を視認。大きく西に進路を変更。障害物を通過後に予定の進路へ戻す。」
「…了解。」
Aは指示通りに、船が動くよう操縦パネルを操作する。エンジンをフル稼働し大きく進路を変更する。それに合わせ、船が傾き物が移動する。
「障害物通過まであと、10秒…5,4,3,2,…。通過完了。再び当初の進路に戻る。」
今度は先ほどとは逆方向に傾く船。動いていったものやら人が元の位置に戻っていく。しばらくして、操縦が安定してくると、Aはふぅっと息を少しはいて、安どの表情を浮かべた。
「ふん。なかなかの操縦さばきじゃねぇか!よし、ここに即席航海士バディを結成だ!マリンフォードまでよろしく頼むぜ。」
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あむさぎ(プロフ) - 撫子さん» コメントありがとうございます!!とっても嬉しい言葉を頂けて…はい!がんばります!! (2021年1月27日 23時) (レス) id: b3e4a8557d (このIDを非表示/違反報告)
撫子(プロフ) - 早く続きが読みたくなりました。応援してます。頑張って下さい。 (2021年1月25日 23時) (レス) id: c1d82146a2 (このIDを非表示/違反報告)
あむさぎ(プロフ) - かなでさん» コメントありがとうございます!イスカ登場させたいと考えていたので無事に登場出来て良かったです!はい!頑張ります! (2021年1月25日 18時) (レス) id: b3e4a8557d (このIDを非表示/違反報告)
かなで - イスカ大好きなので、登場する小生があってめっちゃ嬉しいです!これからも頑張って下さい! (2021年1月24日 9時) (レス) id: dda8ded754 (このIDを非表示/違反報告)
あむさぎ(プロフ) - ノノさん» そうなりますね!ちょっとワクワクします!大学の課題で手いっぱいでなかなか更新できてませんでしたがすこしずつ書き始めます! (2020年6月18日 11時) (レス) id: b3e4a8557d (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時:2020年5月30日 16時