第133話 "記憶の故郷" ページ37
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「すぐ助けに行くからね。」
ぽかんとした顔のエースのほほをぎゅっとつねって悪戯にほほえむとエースはわけもわからず、だがつられて微笑む。次の瞬間、Aは能力を発動する。
Aの足元が光り始めその光がだんだんと広がっていく。Aは、イスカの腕をひいて近くに引き寄せるとそのままじっとするようジェスチャーで指示する。光の輪が広がりあたり一面の地面、海、甲板、足元がすべて光り輝き、船上にいたエースをはじめとする海賊たちは眼下で起きている現象にうろたえる。
イスカがAの顔を見上げると、集中した様子で体の前に伸ばした握りこぶしに力を込めていた。ぎゅっと握った手を広げると、ゆっくりと上へ持ち上げる。その腕の動きに合わせて足元の光が輝きを増していき、Aが腕を頭の上まで持ち上げた時にはあたり一面真っ白な光に包まれる。
あまりのまぶしさにイスカは思わず目をつぶる。次に目を開いたときにイスカが見たのは、イスカが生まれた故郷の景色だった。
「…っな…なんで…？私の故郷は、もう…。」
イスカの故郷は海賊に襲われ焼け野原となってしまった。家も森も人も、すべて焼けてしまった荒野となってしまった。だが、目前に広がるのはかつてイスカが駆け回った、両親と歩いた、思い出の故郷のままだ。
「ここが、イスカの故郷なんだね。とても素敵…。」
後ろから声をかけられハッとする。バッと振り返るとAが立っていた。イスカの故郷にAがいるはずがない。
「そうか‥。そうだったな、ここは夢の中。これは私の記憶に刻まれている故郷なんだな。」
「うん。イスカの夢の中だから、イスカの落ち着く場所を…って能力をイスカに発動させたの。そうしたらここが選ばれた。」
Aは、イスカが故郷を海賊に襲われたこと、そしてその過去に触れられたくないということを知っていた。そのため、故意ではないもののイスカの故郷を創り出してしまったことに動揺していた。その様子をみてイスカはクスっと笑う。
「Aは、やさしいな。私は今、Aに感謝しているよ。まさかもう一度故郷をこの目で見られるとは思っていなかったから…。ありがとう。」
その言葉にAは俯けていた顔を上げる。するといつの間にか目の前まで移動していたイスカに腕をつかまれ引っ張られる。連れられるままに歩いていくと、そこには草原が広がっていた。
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あむさぎ(プロフ) - 撫子さん» コメントありがとうございます！！とっても嬉しい言葉を頂けて…はい！がんばります！！ (2021年1月27日 23時) (
レス) id: b3e4a8557d (このIDを非表示/違反報告)
撫子(プロフ) - 早く続きが読みたくなりました。応援してます。頑張って下さい。 (2021年1月25日 23時) (レス) id: c1d82146a2 (このIDを非表示/違反報告)
あむさぎ(プロフ) - かなでさん» コメントありがとうございます！イスカ登場させたいと考えていたので無事に登場出来て良かったです！はい！頑張ります！ (2021年1月25日 18時) (レス) id: b3e4a8557d (このIDを非表示/違反報告)
かなで - イスカ大好きなので、登場する小生があってめっちゃ嬉しいです！これからも頑張って下さい！ (2021年1月24日 9時) (レス) id: dda8ded754 (このIDを非表示/違反報告)
あむさぎ(プロフ) - ノノさん» そうなりますね！ちょっとワクワクします！大学の課題で手いっぱいでなかなか更新できてませんでしたがすこしずつ書き始めます！ (2020年6月18日 11時) (レス) id: b3e4a8557d (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2020年5月30日 16時
