第124話 "旅立ちの前のざわめき" ページ28
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イスカが要求してきたものは主に食料などの備蓄だった。Aの力が必要なこと、これからの作戦について簡単な説明を聞くと、Aはすぐに準備に取り掛かった。
気が付くと外は日が沈み、いつのまにかあたりは暗くなっていた。こんな夜更けに準備が整うのだろうか、とイスカは不安に思っていたが、その不安はすぐに吹き飛ばされる。
「A王女、食料の準備が整いました。」
「A王女、頑丈な船の用意ができました。」
トントン拍子に準備は整い、備蓄は船に積み込まれた状態で港で待ち構えている。そしてその船の前には屈強な若者たちがひしめき合っている。いや、老人や子供の姿も見える。
「A王女、王女についていくという戦士が後を絶ちません。どうしますか。」
「ふぅ…ありがたいけど、私とイスカの二人で行動する作戦なの。護衛も誰もつける予定はないわ。気持ちはしっかりと受け取る。」
Aの言葉に落胆する人々。一人の子供がAの下へ駆け寄り一輪の花を差し出す。
「A王女様、旅にでるってきいたよ。とってもキケンな旅だって。ぼくもついていきたかったけど…ぼくよわいし、およげないし…。」
「トーリ、あなたは弱くないわ。いつも挑戦している姿を私は知ってるよ。花をありがとう。この花をみてトーリの姿を思い浮かべたら私、パワーがわくと思う！」
少年から花を受け取りイスカのほうを振り返る。
「A、あなたは本当に島のみんなに愛されている王女様なんだな。そんな大切な人を私は島から連れ出して…。」
「なにいってんだ！アンタ！A王女は、やると決めたら絶対やる人、頑固なんだよ。王女様が行くと決めたのなら俺たちは送り出すだけだ。アンタはしっかりと王女様を導いてやってくれよ。」
一人の男性の発言に周りの人間がみんなうなずく。子供は泣きだしそうな目をしているもののギュッと拳を握りしめて強くうなずいている。
Aは、みんなに向かって話しかける。
「みんな、本当にありがとう。私の無事を祈っててね。」
少し茶目っぽくいったのはみんなの不安を拭い去るためだろう。そのまま言葉を続ける。
「で…、ほんとうにお見送りありがたいんだけど、出航するのは明日の朝ね？こんな夜に出発するのは危ないから…。」
イスカがガクッとする。明日の朝、二人は旅立つ。屋敷への贈り物と来訪者は一晩中続いた。
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あむさぎ(プロフ) - 撫子さん» コメントありがとうございます！！とっても嬉しい言葉を頂けて…はい！がんばります！！ (2021年1月27日 23時) (
レス) id: b3e4a8557d (このIDを非表示/違反報告)
撫子(プロフ) - 早く続きが読みたくなりました。応援してます。頑張って下さい。 (2021年1月25日 23時) (レス) id: c1d82146a2 (このIDを非表示/違反報告)
あむさぎ(プロフ) - かなでさん» コメントありがとうございます！イスカ登場させたいと考えていたので無事に登場出来て良かったです！はい！頑張ります！ (2021年1月25日 18時) (レス) id: b3e4a8557d (このIDを非表示/違反報告)
かなで - イスカ大好きなので、登場する小生があってめっちゃ嬉しいです！これからも頑張って下さい！ (2021年1月24日 9時) (レス) id: dda8ded754 (このIDを非表示/違反報告)
あむさぎ(プロフ) - ノノさん» そうなりますね！ちょっとワクワクします！大学の課題で手いっぱいでなかなか更新できてませんでしたがすこしずつ書き始めます！ (2020年6月18日 11時) (レス) id: b3e4a8557d (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2020年5月30日 16時
