第116話 "朝日をあびて" ページ19
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「‥ぐがっ！‥ん？ここはAの部屋‥か？」
エースは目を覚ますと、キョロキョロあたりを見回し、とりあえず帽子をかぶる。窓の外が明るい。久しぶりにぐっすり眠ってしまったようだ。
「急ぎの旅だったからな、こんなに腹いっぱいにたべて、ぐっすり寝て、安心して過ごしたのは久しぶりだ。ありがとよ、A。」
自分の足元で、エースを見守るように椅子に座ったまま、ベッドにうつぶせして眠っているAの頭をやさしくなでる。すると、Aがうぅーん、と少しうなって、目をうっすら開ける。焦点が合わない瞳が、エースをとらえた瞬間、Aはガバッと起き上がる。
「エース！起きてたの？おはよう。ぐっすり眠れた？」
「あぁ、Aのおかげでよく休めたよ。ゆっくりしたいのはやまやまだが、俺はすぐこの島を出ねぇと。」
すぐに、エースの顔が険しくなったのをAは見逃さない。
「隊長としての、役目を果たすんでしょう？すぐ出発できるように、お父様にいって食料とかの準備をしてもらってる。もう少しで準備も整うはずだから、それまでの少しの間でいいから、ここにいて？」
すべてを把握しているかのようなAの対応に、エースは驚きを隠せない。その表情に気づいてAは、少しバツが悪いような顔をしながら答える。
「実は、能力でちょっと覗いちゃった…。ごめんなさい！エースは何も言わずに出て行っちゃうような気がして、理由を知りたくて…。」
「そうか、夢で俺の記憶を見たのか。いや、Aのいう通り、俺は何も言わないでこの島を出る予定だった。実はこの島にも寄るつもりはなかったんだ。だけど、遠目でも眺めようと近づいたら、気づいたらそのままAの能力の射程圏内に入っちまってた。」
エースはやさしい表情をうかべてAのほほに手をやる。
「やっぱり、この島のお姫様に会いたくなっちまったんだな。」
そのとき、朝日に照らされたエースが、儚く消えてしまうような、とても弱弱しく見えた。このまま、行かせてはいけない、そう、直感した。瞬間、体が動いていた。
「うわっ、A！急に抱き着いてどうしたんだ。」
「わからない！わからないけど、エースがこのまま消えちゃいそうな…。」
「はぁ？俺はそんなに弱そうに見えるのか？」
エースは強い、でも心の中に弱い部分も抱えて生きている男の子なのだとAは知っている。
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第116.5話※この話だけ性的表現があります。(飛ばしても話の内容は繋がりますので、苦手な方は飛ばしてください)→←第115話 "核"
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あむさぎ(プロフ) - 撫子さん» コメントありがとうございます！！とっても嬉しい言葉を頂けて…はい！がんばります！！ (2021年1月27日 23時) (
レス) id: b3e4a8557d (このIDを非表示/違反報告)
撫子(プロフ) - 早く続きが読みたくなりました。応援してます。頑張って下さい。 (2021年1月25日 23時) (レス) id: c1d82146a2 (このIDを非表示/違反報告)
あむさぎ(プロフ) - かなでさん» コメントありがとうございます！イスカ登場させたいと考えていたので無事に登場出来て良かったです！はい！頑張ります！ (2021年1月25日 18時) (レス) id: b3e4a8557d (このIDを非表示/違反報告)
かなで - イスカ大好きなので、登場する小生があってめっちゃ嬉しいです！これからも頑張って下さい！ (2021年1月24日 9時) (レス) id: dda8ded754 (このIDを非表示/違反報告)
あむさぎ(プロフ) - ノノさん» そうなりますね！ちょっとワクワクします！大学の課題で手いっぱいでなかなか更新できてませんでしたがすこしずつ書き始めます！ (2020年6月18日 11時) (レス) id: b3e4a8557d (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2020年5月30日 16時
