第110話 "寝坊" ページ13
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出航の日、島の人々はこぞって見送りをするために港へ集まった。短い滞在期間のうちに、海賊たちは島の人々の心を掴んでしまった。
「準備完了だよい。親父、いつでも出発できる。」
「グラララ‥お前ら忘れモンはねぇな。広い海にいるんだ二度と結べない縁もある。」
白ひげは王様と目を合わせるとニッと笑う。そして、船をぐるりと見渡すと一人船員が欠けていることに気づく。
「ハナッタレ小僧はどこだ。」
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「‥マズい、寝過ごした。」
王の屋敷の客室から飛び出す。毛布にくるまって、運悪く誰にも見つけられなかった彼はもぬけのカラになった屋敷から港へと急ぐ。
「くそっ、これじゃ間に合わねぇ!」
エースが悪態をついていると空から声が降ってくる。
「お寝坊さん、ご乗車します?」
見上げると、ヒューダの背に乗ったAがいたずらっぽい笑みを浮かべてエースに手を伸ばしている。
「あぁ!よろしく頼む!!」
エースはAの手を掴み、ヒューダの背に飛び乗った。
「港が見えてきた!まだ船は出発してないよ。よかったね‥‥エース?」
返事がないため振り返ると、エースが何やら小さなガラスケースのようなものを弄っている。
「なに?それ。」
「みてろよ?」
エースはそういうと、手を炎に変え、ガラスケースを燃やす。ボウッと炎が燃え上がり、収まると、ガラスケースの中に炎が灯っている。
「え、なんで??酸素は‥‥??」
「空島にある
「ダイヤル‥?」
「あぁー、ま、不思議炎だ。俺がありったけの力で燃やしたから、何年も消えないと思うぜ。」
エースはガラスケースにチェーンを通すと、それをAに手渡す。
「これAに。」
「わぁ‥!!ありがとう!!!」
Aは宝石を見るように、ゆらゆらとガラスケースの中で燃える炎を見つめる。その姿を見てエースは満足そうに笑う。
「ピューイ!!」
すると、ヒューダが背中の二人に目的地に到着したことを知らせる。
船の上から、港から、大勢が二人を見上げている。大遅刻をしていたことを思い出したエースは慌てて飛び降りる。
「またな、A!!」
エースはそう言うと、軽やかに海賊船へと飛び降りた。
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あむさぎ(プロフ) - 撫子さん» コメントありがとうございます!!とっても嬉しい言葉を頂けて…はい!がんばります!! (2021年1月27日 23時) (レス) id: b3e4a8557d (このIDを非表示/違反報告)
撫子(プロフ) - 早く続きが読みたくなりました。応援してます。頑張って下さい。 (2021年1月25日 23時) (レス) id: c1d82146a2 (このIDを非表示/違反報告)
あむさぎ(プロフ) - かなでさん» コメントありがとうございます!イスカ登場させたいと考えていたので無事に登場出来て良かったです!はい!頑張ります! (2021年1月25日 18時) (レス) id: b3e4a8557d (このIDを非表示/違反報告)
かなで - イスカ大好きなので、登場する小生があってめっちゃ嬉しいです!これからも頑張って下さい! (2021年1月24日 9時) (レス) id: dda8ded754 (このIDを非表示/違反報告)
あむさぎ(プロフ) - ノノさん» そうなりますね!ちょっとワクワクします!大学の課題で手いっぱいでなかなか更新できてませんでしたがすこしずつ書き始めます! (2020年6月18日 11時) (レス) id: b3e4a8557d (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時:2020年5月30日 16時