第109話 "島の海岸" ページ12
・
白ひげ海賊団一行は数日島に滞在し、島の人々と友好を深めた。中でも王様と白ひげは余程気が合ったらしく、白ひげは王様に自分の海賊旗を渡した。
「グラララ‥この島は俺の縄張りってことにしておけば、ちょっかいを出そうとする奴らも減るだろう。」
島の外からよく見える位置に掲げられた白ひげの海賊旗は竜巻越しにもその効力を発揮するだろう。
「エース!またこの島へ来る?」
「いや‥どうだろうな。今回は宝の地図を手に入れて、探しに向かう途中にこの島がちょうどあったんだ。」
島の海岸で王女とエースが、遠い海を眺めながら話している。白ひげ達が今回狙う宝には悪魔の実の他、重要な記録を記した石もあるという噂があるらしく、わざわざここまでやってきたそうだ。
「目的の宝をゲットしたら、また通常の航路に戻る筈だ。そしたら、この島へは来ない。それに、今回みたいなイレギュラーじゃなければ、俺らは海のその先を目指して進んでいるんだ。
Aはエースの見つめる先の海に視線をやる。果てしなくつづく海。エースが目指す高みはもっともっと、この海を超えた先にあるんだろう。
そんなエースがとても誇らしく思う。
「すごいな、どんどん進んでいくんだね。早く一周してよね。親父さんの名前をこの時代に刻んできてね。」
エースの背中を押す様にAは、エールを送る。すると、エースはAの横に座り肩を抱き寄せる。Aは、自分が慰められていることに気づき、ハッとする。
涙をグッと飲み込むと、エースの気遣いが嬉しくて笑みをこぼす。
「慰めてくれてるの?寂しくないよ‥って言ったら嘘になるけど‥。前に進むエースが好きだから、大丈夫!」
それに、と続ける。
「私の能力って結構万能なんだ。そのうち手紙みたいな媒体なしでエースの夢に潜れるかも。」
「そりゃすげぇ。昼寝してたらAに会えるのか?」
「うーん、昼寝だと厳しいかな。もっと強い夢じゃないと。離れてても私が察知できるくらいのすごい夢!」
どんな夢だよ、とエースは笑う。目の前で沈んでいく夕日が、また天に昇ったら、海賊船は出発する。
それまでの時間をわずかでも無駄にしない様に、二人は一緒に過ごす時間を噛みしめた。
・
136人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ONEPIECE」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あむさぎ(プロフ) - 撫子さん» コメントありがとうございます!!とっても嬉しい言葉を頂けて…はい!がんばります!! (2021年1月27日 23時) (レス) id: b3e4a8557d (このIDを非表示/違反報告)
撫子(プロフ) - 早く続きが読みたくなりました。応援してます。頑張って下さい。 (2021年1月25日 23時) (レス) id: c1d82146a2 (このIDを非表示/違反報告)
あむさぎ(プロフ) - かなでさん» コメントありがとうございます!イスカ登場させたいと考えていたので無事に登場出来て良かったです!はい!頑張ります! (2021年1月25日 18時) (レス) id: b3e4a8557d (このIDを非表示/違反報告)
かなで - イスカ大好きなので、登場する小生があってめっちゃ嬉しいです!これからも頑張って下さい! (2021年1月24日 9時) (レス) id: dda8ded754 (このIDを非表示/違反報告)
あむさぎ(プロフ) - ノノさん» そうなりますね!ちょっとワクワクします!大学の課題で手いっぱいでなかなか更新できてませんでしたがすこしずつ書き始めます! (2020年6月18日 11時) (レス) id: b3e4a8557d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作成日時:2020年5月30日 16時