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そんな言葉にまた一人堕ちる ページ6

最近Aの元気がない。

それに気づいた人間はほとんどおらず、気づいたのはただ1人、不本意ながら学生時代の後輩であり家も近所だったため幼馴染とも言える関係である雷田だけだった。



「Aさん最近元気ないスけどなんかありましたか」

「彼氏と連絡が繋がらない」

「アンタ彼氏いたんか」

「そんなに意外?」

「子役の男の子を手当たり次第食ってましたみたいなイメージ」

「捕まるわ」



流石に本気でそんなイメージは持っていないが、Aは学生時代は年上の男を取っ替え引っ替えしているといった噂はよく流れた。

今更真相を知りたいわけではないが、仕事を完璧以上に仕上げる彼女に恋人を作る余裕まであったとは予想していなかったのだ。



「雷田、可哀想な私を慰めろ」

「これが“ベッド温めて”、って意味での“慰めて”なら食いついた男は大勢いるでしょうけど、僕に何をしろと」

「カワイく女装して」

「昔と違って身ぐるみ剥がさないだけ成長したと言うべきスかね」



元気じゃねぇか、という言葉は飲み込んだ。

実はその昔、Aは幼気な雷田少年を押し倒して服をひん剥かせて女の子にして愛でていたことがマジであったのだがもう思い出したくない。


何をするでもなく、ぐてーっと椅子の背にもたれかかって仰け反るAに、雷田は彼女の顔の真上に目線を合わせた。



「ただの僕では、アンタを慰められる男になり得ませんか」



吐息がかかるほどの至近距離が、これ以上近づくことはなかった。

Aが雷田の両頬を掴んだからだ。



「休憩終わるよ。仕事の時間だ」



ちゅ、と可愛らしいリップ音が雷田の頬から鳴った。

音を鳴らせた本人は何事もなかったかのように立ち上がり、休憩部屋を出て行った。


Aが今まで職場で“これ”をした相手は、共演したハリウッド俳優か仲のいい同性の同僚のみ。

雷田はそのどちらにも当てはまらない。

落ち込む暇すら与えられなかった。



「〜〜っこの女誑し!」

「こんな状況で男にそう言われたのは初めてだよ」



ほけほけと笑ってスタジオに入るAはすでに、恋人を想う不知火Aでなければ幼馴染の不知火Aでもない、大衆が求める“魔女”Aの顔になっていた。

その瞳がその言葉が→←嘘でもそれは完全な



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HANON(プロフ) - ふぉん鴉さん» ありがとうございます!魔女ちゃんのお相手は誰になるんでしょう… (10月21日 22時) (レス) @page15 id: 42f4c6aba7 (このIDを非表示/違反報告)
ふぉん鴉(プロフ) - 更新ありがとうございます!!作者さんの立ち位置が自分と似過ぎていて滅茶苦茶分かる!と思いました、丸。 (10月16日 22時) (レス) @page13 id: e0721d2717 (このIDを非表示/違反報告)
HANON(プロフ) - ふぉん鴉さん» 神作なんて光栄です!頑張ります。ふぉん鴉さんコメントありがとうございました。 (7月23日 12時) (レス) id: 42f4c6aba7 (このIDを非表示/違反報告)
ふぉん鴉(プロフ) - 自分の中での神作有難うございます。゚( ゚இωஇ゚)゚。これからも頑張ってください!応援してます(oˆ罒ˆo) (7月23日 6時) (レス) id: ecacc3dc55 (このIDを非表示/違反報告)
HANON(プロフ) - らーさん» 頑張ります。らーさんコメントありがとうございました。 (7月22日 16時) (レス) id: 42f4c6aba7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:HANON | 作成日時:2023年7月16日 1時

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