だけど燦々と ページ4
「雷田見て。私の姪っ子たち」
「もう52回見ましたよ」
「世界一可愛い」
「それも52回聞きました」
雷田澄彰。イベント運営会社の若きエースである。
大きなイベントを企画するたびに、雷田の先輩にあたるAは先輩のよしみで呼んだら割と来てくれる。
彼女ほど大衆の目線を知る者はいないから、心強い味方なのだ。
ただ一つ、彼女は人の都合を全く聞かないとんでもない自由人であるというデメリットを除いて。
皮肉にもその自由さで忙しいはずのスケジュールを縫って来ているのだから謎である。
彼女の見せる携帯画面に映るのが目をかけている新人ならまだ良かったのに、彼女が見せる写真に映るのは芸能人ではなく身内(しかも赤ちゃん)である。
ほんの少し前にデビューした有馬かなの親のように売り込んでいるわけでもない。
「姉の方のころもが宇宙一可愛い」
「はいはい」
「妹の方のフリルはいつか私みたいな女優になりたいって」
「生後1ヶ月の赤ん坊がンなこと喋ります？」
「昔の私に似てる」
「聞いちゃいねェなこの魔女」
「この子はいつか絶対ビッグになる。麦わら帽子預けようかな」
「海賊王にでもする気か」
似てると言っても顔のホクロの数くらいしか共通点がないだろ、と雷田は思ったが口には出さなかった。英断。
人前ではテンション高いキャラの彼もAの前ではただの苦労人と成り果てる。
だが、Aの覚えがめでたい人間は芸能界で長生きするという事実がある以上、彼女の我儘は無視できないのだ。
「……そういえば、先輩少し前にアイドルの名前覚えてませんでしたっけ」
「ああ、覚えたよ。1人」
「誰です？」
「もう少ししたら出るんじゃないか」
「ふーん。じゃあそれまでのお楽しみにしときます」
「それが良い」
雑談もそこそこに、仕事も滞りなく済ませて一日が終わる。
雷田の言及よりも前からAはアイのことを思い出していた。
今日が、アイの出産予定日だからだ。
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HANON(プロフ) - ふぉん鴉さん» ありがとうございます！魔女ちゃんのお相手は誰になるんでしょう… (10月21日 22時) (
レス) @page15 id: 42f4c6aba7 (このIDを非表示/違反報告)
ふぉん鴉(プロフ) - 更新ありがとうございます！！作者さんの立ち位置が自分と似過ぎていて滅茶苦茶分かる！と思いました、丸。 (10月16日 22時) (レス) @page13 id: e0721d2717 (このIDを非表示/違反報告)
HANON(プロフ) - ふぉん鴉さん» 神作なんて光栄です！頑張ります。ふぉん鴉さんコメントありがとうございました。 (7月23日 12時) (レス) id: 42f4c6aba7 (このIDを非表示/違反報告)
ふぉん鴉(プロフ) - 自分の中での神作有難うございます｡ﾟ( ﾟஇωஇﾟ)ﾟ｡これからも頑張ってください！応援してます(oˆ罒ˆo) (7月23日 6時) (レス) id: ecacc3dc55 (このIDを非表示/違反報告)
HANON(プロフ) - らーさん» 頑張ります。らーさんコメントありがとうございました。 (7月22日 16時) (レス) id: 42f4c6aba7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：HANON | 作成日時：2023年7月16日 1時
