これは絶対嘘じゃない ページ26
アイの死と、アイを殺した男の自決のニュースはあっという間に出回った。
現場にいたアクアとルビー、そして犯行時刻にアイとの通話記録が残っていたAはニュースの名前に乗らなかった。
双子は社長夫妻の籍に移していて、Aの携帯には録音機能で通話記録が残っていたからだ。
誰の得にもならないことを公表するほど、警察は馬鹿ではない。
だが、今のAにはどうでも良かった。
「斉藤夫人」
「……！Aさん、どうかしましたか」
「やる」
苺プロ社長夫人のミヤコがAに話しかけられたのは初めてだ。
尤もAは随分前から彼女を一方的に知っていたが、今は関係ない。
Aがミヤコに渡したのは、マンションのカードキーのように見えた。
「これは…？」
「私のセーフハウスの一つだ。やる」
「え…！？」
「双子を引き取るんだろう。そこは事務所から近いしセキュリティもしっかりしてる。私ができるのはそれくらいしかない。受け取ってほしい」
アイからはああ言われたが、双子が芸能界に入るなら多くの人間の悪意から守り切るのは難しい。
せいぜい玄関先で刺されないようにするのが精一杯だった。
「それと、今日やる予定だったドームのライブチケットを全部買い取りたい」
.
「ヒムラさん、この前言ってたデモテープちょうだい。B小町をイメージして作ったけどセンシティブすぎてボツになったやつ」
「……まさかとは思うけど」
「私がドームで歌う」
「色んなところから訴えられるよ」
「だから録音録画厳禁なライブでやるんだよ。それに英訳して誤魔化すなりなんなりして上手くやるさ。あと後半にちょっと手を加える」
「…もう好きにして」
天下の大女優に自分のデモテープが使われるのはいち作家として名誉なことだが、相手が相手なだけに素直に喜べない。
「ついでに念の為訊くけど、このライブで引退とかないよね？」
「まさか。私のスケジュール5年先まで埋まってるのにそこまで無責任なことしないよ」
まるで5年後には引退するような言い方だが、ヒムラは考えないことにした。
触らぬ魔女に祟りなしである。
アイの死で中止になったドーム公演。
通常はチケットの払い戻しとなるが、申し出る者は1人もいなかった。
あの“魔女”のAが後日、そのチケットを代わりの切符としてライブを行うと発表したからだ。
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HANON(プロフ) - ふぉん鴉さん» ありがとうございます！魔女ちゃんのお相手は誰になるんでしょう… (10月21日 22時) (
レス) @page15 id: 42f4c6aba7 (このIDを非表示/違反報告)
ふぉん鴉(プロフ) - 更新ありがとうございます！！作者さんの立ち位置が自分と似過ぎていて滅茶苦茶分かる！と思いました、丸。 (10月16日 22時) (レス) @page13 id: e0721d2717 (このIDを非表示/違反報告)
HANON(プロフ) - ふぉん鴉さん» 神作なんて光栄です！頑張ります。ふぉん鴉さんコメントありがとうございました。 (7月23日 12時) (レス) id: 42f4c6aba7 (このIDを非表示/違反報告)
ふぉん鴉(プロフ) - 自分の中での神作有難うございます｡ﾟ( ﾟஇωஇﾟ)ﾟ｡これからも頑張ってください！応援してます(oˆ罒ˆo) (7月23日 6時) (レス) id: ecacc3dc55 (このIDを非表示/違反報告)
HANON(プロフ) - らーさん» 頑張ります。らーさんコメントありがとうございました。 (7月22日 16時) (レス) id: 42f4c6aba7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：HANON | 作成日時：2023年7月16日 1時
