弱点なんて見当たらない ページ21
ロサンゼルスでの撮影が早く終わり、久しぶりにまとまった休暇が取れたAは、姉夫婦から朝夜の子供の送り迎えを頼まれた。
「ころも、フリル。知らない人に」
「「ついて行かない」」
「触られたら」
「「防犯ブザー」」
「留守番の時は」
「「鍵とチェーン」」
「警察と名乗られたら」
「「“警察手帳見せて”」」
「良し」
世界一可愛いと豪語するAの身内の贔屓目抜きでも、ころもとフリルは本当に可愛い。
何かあってからでは遅いので、防犯対策はしっかりしている。
Aは芸能界では「倫理観の消し飛んだ化け物」と呼ばれることも多々あるし実際その通りだが、良識は一応あるのだ。
「Aおばさま。やまととさがわとあまぞんは?」
「宅配便も出たらダメだからな。私や姉さん達がいる時間帯に指定しているはずだから」
「「はーい」」
雷田やゴローを乗せていた時とはまるで違う丁寧な運転で2人を幼稚園まで送り届けた。
「今日は一日フリー。明日はアイのドーム公演で、明後日からアイとドラマの撮影…アイに花束でも贈るか…?」
繰り返し言うが、Aは常識は無いが良識はある人間だ。
この時のAの行動も、今までの行動も言動も何も間違っていなかった。
ただ、“これからの悲劇”をAの落ち度としてでっち上げるなら、一つだけある。
Aの唯一の落ち度は、アイのことを姪達と同じように子供扱い
アイをなまじ半人前の芸能人として認めていたからだ。
だがそれは落ち度とは言えない。
アイへの認識が落ち度だと気づいていれば、“これからの悲劇”を避けられたかもしれないが、起きたからといってAのせいになるわけがない。
そしてどの道、悲劇の前にAが自分の落ち度を認識することはない。
Aにとってはアイもアクアもルビーも、他人であり他人事だからだ。
例え、星野アイの母親と雨宮吾郎の母親、天童寺さりなの母親の心情をAなりに察していて、それが正解だったとしても、本人達に伝える義務は彼女にはないのだ。
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HANON(プロフ) - ふぉん鴉さん» ありがとうございます!魔女ちゃんのお相手は誰になるんでしょう… (10月21日 22時) (レス) @page15 id: 42f4c6aba7 (このIDを非表示/違反報告)
ふぉん鴉(プロフ) - 更新ありがとうございます!!作者さんの立ち位置が自分と似過ぎていて滅茶苦茶分かる!と思いました、丸。 (10月16日 22時) (レス) @page13 id: e0721d2717 (このIDを非表示/違反報告)
HANON(プロフ) - ふぉん鴉さん» 神作なんて光栄です!頑張ります。ふぉん鴉さんコメントありがとうございました。 (7月23日 12時) (レス) id: 42f4c6aba7 (このIDを非表示/違反報告)
ふぉん鴉(プロフ) - 自分の中での神作有難うございます。゚( ゚இωஇ゚)゚。これからも頑張ってください!応援してます(oˆ罒ˆo) (7月23日 6時) (レス) id: ecacc3dc55 (このIDを非表示/違反報告)
HANON(プロフ) - らーさん» 頑張ります。らーさんコメントありがとうございました。 (7月22日 16時) (レス) id: 42f4c6aba7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:HANON | 作成日時:2023年7月16日 1時