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あれもないないない ページ18

「っざっけんな!!」



Aと監督・スタッフが口論になることは、実は珍しいことではない。

Aは本来なら縁を切られてもおかしくないほどに我儘で、現場を困らせるのもしょっちゅうだ。

それでもAが干されることがなかったのは、彼女の我儘は全て契約と法の内側にあったのと、結果的に大きな利益を産んでいたからだ。



「B小町のアイが候補に上がっていたはずだ!なんで私にした!?」



しかし今回は、キャスティングについて製作陣に文句を言うという、製作決定のニュースが出されるより前だとはいえ明らかに行き過ぎた行為を彼女はしていた。

即刻契約が切られることもなく、口論という余地があるのは相手が“魔女”のAであり、責任者の1人である鏑木がAの性格をわかっているからだ。



「“アイ”より“A”の方が数字が取れるからだよ。より数字を取れる方を選んだまでだ」

「これはアイドルが主人公のドラマだ。現役アイドルにやらせた方がよほど注目度が高くなるはず」

「だとしてもおそらく“A”には及ばない。こっちの方が確実だ」

「それはあんたの主観だろう」

「アイくんをキャスティングしたかったのはきみの主観だ。最近製作が決定したあの巨匠の映画、きみが主演だ。その役作りのためにきみは僕達にアイくんを選ばせようとした(・・・・・・・・)

「……!」

「きみが誰を、何を喰い物にしようが構わない。でもこのドラマにおいてのキャスティング決定権は僕達にある」



今回はAの主張の方が身勝手で間違っていると言わざるを得ない。

自分ひとりの都合でキャスティングに文句を言ったのだ。


鏑木に図星を突かれたAは頭が冷えたのか、深呼吸をして怒りを鎮めた。



「……分かった。ではこうしよう」

「いや何も分かってないよ。納得してないじゃん」

「キャスティングが私かアイかで揉めているのを向こうにも流す。それで何も起きなければ私はあんたに従う」

「きみが勝手に文句言ってるだけで揉めてはいないよ」

「いいや揉めてる。想定キャストの決定がいつもより遅い」



ここで初めて鏑木は黙った。

Aは一度決めたら引かない。

結局鏑木は折れて、2日間という条件付きでこの話は成立した。

これもないないない→←無敵の笑顔で荒らすメディア



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HANON(プロフ) - ふぉん鴉さん» ありがとうございます!魔女ちゃんのお相手は誰になるんでしょう… (10月21日 22時) (レス) @page15 id: 42f4c6aba7 (このIDを非表示/違反報告)
ふぉん鴉(プロフ) - 更新ありがとうございます!!作者さんの立ち位置が自分と似過ぎていて滅茶苦茶分かる!と思いました、丸。 (10月16日 22時) (レス) @page13 id: e0721d2717 (このIDを非表示/違反報告)
HANON(プロフ) - ふぉん鴉さん» 神作なんて光栄です!頑張ります。ふぉん鴉さんコメントありがとうございました。 (7月23日 12時) (レス) id: 42f4c6aba7 (このIDを非表示/違反報告)
ふぉん鴉(プロフ) - 自分の中での神作有難うございます。゚( ゚இωஇ゚)゚。これからも頑張ってください!応援してます(oˆ罒ˆo) (7月23日 6時) (レス) id: ecacc3dc55 (このIDを非表示/違反報告)
HANON(プロフ) - らーさん» 頑張ります。らーさんコメントありがとうございました。 (7月22日 16時) (レス) id: 42f4c6aba7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:HANON | 作成日時:2023年7月16日 1時

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