誰もが信じ崇めてる ページ11
双子の赤ちゃんが21万RTをしたこと(以下略)をきっかけに、アイは着々と仕事を増やしていった。
それからアイの子たちが饒舌に喋ってもほぼ問題ない年頃(といってもまだ赤子)になった頃。
「アクア、ルビー！今日の仕事はAさんと雑誌の写真撮るんだけど、2人も行かない？」
「えぇー！あの大大大女優“A”と！？行く！絶対行く！！」
アイが第一の推しであるルビーでも、アイ以外を知らないわけではない。
むしろルビーは、前世の“さりな”であった時から、アイを知るより前からAを観ていた。
超大物芸能人と会えるのだから、気分が上がるのも無理はない。
一方でアクアはというと、死別した恋人と2年ぶりに会えるかもしれないという聞いたこともない機会に顔色を悪くした。
事実上は死別だが向こうは死んだことを知らないはずだ。
「…俺はいい」
「えーなんで！？行こうよお兄ちゃん！」
「アクア、大丈夫だよ？Aさん子供には優しいよ？多分」
「多分…」
これほど不安になる「多分」はそうそうないだろう。
「B小町のアイです。よろしくお願いします」
双子はマネージャーのミヤコの子供として現場に入り、問題を起こさないように大人しくしていた。
「“A”はまだ来てないねお兄ちゃん」
「ほぼ毎日テレビ出てるんだからスケジュール詰まってんだろ」
あれだけ忙しい中、よく九州で逢引きできたなと改めて思う。
フリー故に個人でマネージャーも雇っていないと聞いたがどういう処理能力をしているのだろう。
悶々としているうちにその時は来た。
「A入りまーす」
「一万円入りまーすみたいに言わないでください」
近所のコンビニでよく聞くような声かけだ。
なのに何かが違う。
彼女はただスタジオに入って挨拶をしただけだ。
たったそれだけで空気が変わった。
まるで指揮官を前にした兵のように、教会に入ったキリシタンのように皆の意識の前提が変わった気配すらした。
雨宮吾郎は“不知火A”を知っている。
人間が大好きで、悪意すら性癖に当て嵌める化け物のような精神性を持つ女だ。
だが現場を見ていない。故に女優の“A”は知らない。
生まれ変わった今初めてそれを知ったのはなんとも皮肉な話だ。
そう思っていると、ふとAとぱちりと目が合い、そのまま逸れるはずの視線は逸れずにアクアを見たまま彼女は瞠目した。
あ、これバレたな、とアクアは直感した。
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HANON(プロフ) - ふぉん鴉さん» ありがとうございます！魔女ちゃんのお相手は誰になるんでしょう… (10月21日 22時) (
レス) @page15 id: 42f4c6aba7 (このIDを非表示/違反報告)
ふぉん鴉(プロフ) - 更新ありがとうございます！！作者さんの立ち位置が自分と似過ぎていて滅茶苦茶分かる！と思いました、丸。 (10月16日 22時) (レス) @page13 id: e0721d2717 (このIDを非表示/違反報告)
HANON(プロフ) - ふぉん鴉さん» 神作なんて光栄です！頑張ります。ふぉん鴉さんコメントありがとうございました。 (7月23日 12時) (レス) id: 42f4c6aba7 (このIDを非表示/違反報告)
ふぉん鴉(プロフ) - 自分の中での神作有難うございます｡ﾟ( ﾟஇωஇﾟ)ﾟ｡これからも頑張ってください！応援してます(oˆ罒ˆo) (7月23日 6時) (レス) id: ecacc3dc55 (このIDを非表示/違反報告)
HANON(プロフ) - らーさん» 頑張ります。らーさんコメントありがとうございました。 (7月22日 16時) (レス) id: 42f4c6aba7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：HANON | 作成日時：2023年7月16日 1時
