潮風に流されてしまえ。 二宮side ページ25
この街の夜は、穏やかで静かで。
微かに海の香りがする。
結構高台の方にある、この大野さんの店のﾃﾗｽは別格に気持ちがいい。
和｢あぁぁぁぁ〜、っかんねぇ...くそっ...｣
頭を冷やして冷静になったって、やっぱりそらがここにいるこの状況に困惑して、うまく頭が働かない。
俺の中で、解決してきたことだった。
そらがいなくなった日から、自分の中でそらに対する怒りを抑えて、消して。
そうやってなんとか気を紛らわせて。
いつかどこかでそらに偶然会ったとしても
怒らず、平常心で、｢おかえり｣と言ってあげよう、と。
そう思っていたのに。
実際そう上手くいかないものだ。
平常心が無理なら、｢おかえり｣だってまともに言えない。
俺、らしくない。
和｢はぁ...、｣
｢ため息なんて、らしくないですね、和さん?｣
和｢あれ、Aちゃん、大野さんは?｣
｢そらさんとお話してます。久しぶりみたいだったし、お話したいこともあるかなって｣
和｢そっか...なんかごめんなさいね、俺らのことで気使わせちゃって｣
｢そんな、全然ですっ!! ...和さんも、無理しないでね｣
和｢ははっ、Aちゃんに心配させちゃうなんてだめだよな、ごめんね｣
｢...何があったか詳しくは知りません、でも...｣
『そんなときは、ここの潮風に流されてしまえばいいんです』
不思議なこと言ってんなぁ、何言ってんだか、
って思ってたら、Aちゃんがﾆｺｯて笑って。
その瞬間、ｻﾞｻﾞｻﾞｰｯ、って山の木々が揺れて、少し強い潮風が海から吹いた。
思わず目を瞑ってしまった。
そしたら急に気持ちがふわっ、て軽くなるようなそんな不思議な感覚になって。
なんだこれ? 今までのﾓﾔﾓﾔがどこかへ飛んだような...
和｢...、Aちゃん、今なにか...｣
｢ん? ふふ、...にしてもさっきの風、強かったですね、、裏口のもの倒れてないか見てきますねっ｣
それだけ言い残して、裏口へ向かったAちゃん。
忘れていた。彼女は...
和｢魔女、だったの、忘れてた...｣
だからほら、また魔法をかける。
ﾋｭｩｯ...、とさっきより少しだけ弱い潮風が吹いた瞬間...
ｶﾞﾁｬｯ...
そ｢和、｣
和｢...そらっ、｣
君はいとも簡単に、
1番会いたくなくて、憎いのに。
1番会いたくて、愛おしい人に会わせてくれる魔法を、僕らにかけたんだ。
続く
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かるぴす.*(プロフ) - よっしーさん» よっしーさん、コメントありがとうございます! 私生活がﾊﾞﾀﾊﾞﾀで更新ｽﾋﾟｰﾄﾞがとてつもなく遅くて申し訳ないです(TT) ゆっくりではありますが今後も楽しんでいただけたらと思います(*¨*) (2018年6月27日 9時) (
レス) id: a5cc337d4b (このIDを非表示/違反報告)
よっしー - この後どうなるか気になります。早く更新してほしいです。楽しみにしてますね(((o(*ﾟ∀ﾟ*)o))) (2018年6月7日 0時) (レス) id: a1ac4d5582 (このIDを非表示/違反報告)
かるぴす.*(プロフ) - さくらさん» さくらさん、コメントありがとうございます。V6さん、関ｼﾞｬﾆ∞さんも好きで登場させたのですがファンの方がいてよかったです♪私生活の方がバタバタして更新全然できてないですがこれからも楽しんでいただけたらと思います(*´ｰ｀) (2018年3月28日 15時) (レス) id: a5cc337d4b (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - 出てくるキャラがみんなツボにハマってきて可愛くて仕方がないです。まさか、昌さんが出てくるとは思わず、V6のファンもしているので凄く嬉しいです！！更新大変だとは思いますが気長に待っています！頑張ってください (2018年3月8日 0時) (レス) id: 882e6a37d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かるぴす.* | 作成日時：2016年12月12日 7時
