various 6 〜final story〜

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次の日、朝起きて鏡を見てため息を漏らす。。

だって…









「目、ヤバ…」









泣けばそりゃ朝には目はバンバンに腫れるわけで。

何とか化粧をしてみたものの、腫れぼったいまぶたは隠しきれない。









「…また店長にメガネ借りなきゃな」









諦めて靴を履いて外へ出れば、いつも通りの一本道。




隼と歩いた道

龍友と歩いた道

涼太と歩いた道



全部が楽しくて、どの瞬間も思い出だね。

私なんかに恋して、私なんかに傷つけられて、私なんかを励ましてくれて……









「あーー、やめやめ」









出勤前に泣いたらダメでしょ。

ちゃんと切り替えないと。

みんなの為にも、ね。









「おはようございまーす」


敬浩「おっはよー！…って、目腫れてんな。大丈夫か？」









店長…

すぐに気付いてくれて、私の顔をジッと見つめてる。

良かった、臣さんじゃなくて店長で。









「あの、また眼鏡」
涼太「はい、どうぞ」


「涼太？！」









店長に向かい合って話し掛けてたら、バックから歩いてきた涼太が黒ぶちの眼鏡を持ちながらそう言った。

相変わらず王子様スマイルで首を傾げてる涼太に、目が点な私。


だって、だってさ、私…昨日……









敬浩「え？どゆこと？どゆこと？」


涼太「はい、どうぞ」


「いや、でも…」


涼太「絶対似合うから、ほら」


「あ、ありがと」


涼太「ほらー！やっぱ似合う！敬浩さん、どーっすか？」


敬浩「いやまぁ、似合うけども！何でこんなタイミングいいわけ？」


涼太「まぁ……色々と？」


敬浩「…………そっか！色々あるよな！！」


涼太「はい(笑)」









涼太から手渡された眼鏡を掛けて、微笑んでいる彼を見て。


心が、ドクンと、大きく跳ねた。









涼太「似合ってるよ、可愛い」


「…」


涼太「ねぇ、A」









下を向いたまま顔を上げられない私の手を引いて、さりげなく店長から遠ざけた涼太。

頭元から降ってくる声は、いつもの様に優しく響く。

近くに感じる涼太の香り、体温…









涼太「笑って？」


「…」


涼太「ほら〜」









ゆっくりと顔を上げて、涼太を見上げれば…

綺麗な顔が、涙で滲んだ。


困った様に笑いかけてくれるその顔に、必死に笑顔を作れば、頭をそっと撫でてくれた。









涼太「大丈夫だから。Aも、俺らも」

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