various 3 (ページ28)

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your side ページ28

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亜嵐「玲於の彼女になって、幸せなの？」

私の手を握ったまま、切なげにそう聞く亜嵐に返す言葉が見つからない。

幸せ？
だって、玲於との関係は幸せになる為に始めた物じゃないから。

幸せかなんて、考えた事もなかった…

そっと離れてく亜嵐の両手。

亜嵐「まだ臣さんの事が好きでしょ」

「…多分そう」

亜嵐「じゃあ何で玲於と付き合ったの？」

「それは…」

このまま亜嵐に全てを聞いてほしい。

本当は玲於はすずが好きなんだよって。

私は罪滅ぼしをしてるだけなのって…

でもそんなの何の解決にもならないから、出てきた言葉に必死で蓋をした。

「それは…わかんない」

亜嵐「それじゃあ、俺が納得出来ない」

「…」

亜嵐「…」

隣の個室が開いた音。

店員さん達の忙しそうな足音。

何も言葉が出てこない私の耳には、ただただそんな音だけが届いている。

……ねぇ、亜嵐。
私は亜嵐に何を伝えたらいい？

亜嵐「A」

呼ばれた声に顔を上げれば、困った様に微笑む亜嵐と目が合った。

・

・

亜嵐「玲於と別れたら？」

「えっ」

亜嵐「好きでもない奴と付き合う必要ないじゃん」

そうだけど…そうなんだけど…

別れを切り出すのは私じゃない。

それは玲於が前に進めた時に、玲於から告げられる事だから。

亜嵐「それとも、別れられない理由があんの？」

「…」

亜嵐「ねぇ、こっち見て」

今、亜嵐と目を合わしたら全てが崩れていく…

辛いのは私じゃなくて、玲於。

ここで逃げる訳にはいかないから。

靴が擦れる音がしたと思ったら、爽やかな香水の香りが、亜嵐と一緒に隣へ来た。

同時に両手で顔を包まれて、優しく上へ上げられる。

・

・

亜嵐「好きだよ、A」

「えっ…」

そのまま、唇が重なった……

突き放せないのはどうして？

私、不意打ちに慣れちゃったのかな。

酔ってるんだ。
私も、亜嵐も。

だから……これは事故、だよね？