【名探偵コナン】とりあえず、どうしようか。 (ページ6)

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ーー

『肩、怪我してるの？』
　
　

思ったより平然と声をかけることができた。
　
　
　

男性の殺気も十分すぎるほど気になるが、

なにより苦しそうに庇っている右肩に目を奪われる
　

　

　
「……、」
　

男性の右肩は着ている真っ黒いコートに
色を染み込み、

暗い中見えるということはかなりの深手のはずだ。
　
　

誰に撃たれたかなんて、関係ないのだけれどね。
　
　
　

　
『……立てる？』
　
　
　

右手を差し出すと、男性を目を見開き

あたしを凝視した後、零れるように言葉を漏らす
　
　

　
「………何で、子供が…」
　
　

あぁ、そうか。
　

きっと彼の目には幼い女の子が映っているはず。
　

恐らく初対面の。
　

そんな女の子が自分の命を狙っていた男を撃ち殺したら酷く驚愕するだろう
　
　
　

　
撃ったあたしだって驚愕だわ。
　
　

　

　

『目の前で殺人事件なんか起こされたら嫌に決まってるでしょ』
　
　

　

　

口を開き素直に伝えればさらに驚愕したかのような素振りを見せた後、
　

口角を上げあたしの小さな手をとる。
　
　

「……名前を教えてくれないか？」
　
　
　
　

少しだけよろめきながら立ち上がる男性は
あたしに問いかける。
　
　
　

　
　
『普通自分から名乗るものじゃないの、

……Aだよ』
　
　
　

「それは悪いことをしたな、
　
…A、か…
　
　

そうだな、

俺のことは“おじさん”と呼んでくれないか？」

　
　

　
『は？』
　
　
　
　

それがあたしとおじさんの出逢い。
　
　
　