44.個室はどう? ページ44
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ドヨン「個室は嫌ですか?」
「…嫌ではないけど…大丈夫かな…」
ドヨン「何がですか?」
「…いや、私は全然大丈夫なんだけど…
ドヨンくんが大丈夫かな…と」
誤解されてしまう可能性は否めない。
こんなに可愛いドヨンくんと私が個室にいたら、
100人中100人が上級生の私が彼を無理矢理、密室に連れこんだと考えるだろう。
誰がどこで見ているかも分からないし、入学早々そのイメージがついちゃうのは可哀想だ。
いや、可哀想なのは私?
しばらく私の言葉に怪訝な顔をしていた彼は合点がいったのか、目をぱちくりさせ慌てた様子で口を開いた。
ドヨン「………すみません、…えっと、
…そんなつもりなかったんですけど…
女性への配慮が足りなかったですよね?…すみません…」
「いや、私は全然…」
ドヨン「男と個室でふたりきりの状況になったら警戒しますよね…」
ん?
微妙に話が噛み合っていないことに気づいた。
まるで私がドヨンに襲われるかもって自惚れて警戒してるみたいになってない?
彼に他意がないことは当たり前に理解している。
「いや、別に警戒してないよ?もちろんドヨンがそんなつもりじゃないって分かってるし…え?」
ドヨン「先輩?」
自惚れ女だと思われたのだろうか。
恥ずかしすぎて、顔から火が出そう。
「個室にしよう!個室の方が集中できるなら!
全然!私もいいと思う!」
―――
ドヨン「先輩、ここはどういう意味ですか?」
「うん、ちょっと見せて」
大変だ。
これは大変だ。
なぜ大変なのかというと、この空間が勉強をするために作られたスペースなのかを疑うほど、狭いからだ。
そもそも、入室した私はドヨンと向かい合わせで座ろうとしたが、ドヨンが自然と私の隣に腰掛けたせいで、
こんな大変な状況が出来上がってしまった。
距離が近いため、ドヨンの香りも清らかな声も小さな息遣いまでも全てがすぐそばに感じられる。
まるで変態のようだが、この状況に平常心を保てるほど私は男慣れしていないのだ。
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扇子(プロフ) - みさん» いえいえ!こちらこそ読んでいただきありがとうございます!これからも更新頑張りますね☺️ (2022年6月26日 1時) (レス) id: 3dae27e4b9 (このIDを非表示/違反報告)
み - 更新してくださりありがとうございます! (2022年6月25日 0時) (レス) @page47 id: 4940a29e5c (このIDを非表示/違反報告)
扇子(プロフ) - ゆゆさん» わ!ありがとうございます!!嬉しいです☺️ (2022年6月3日 17時) (レス) id: 3dae27e4b9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ - おもしろすぎて最高です! (2022年6月3日 1時) (レス) @page41 id: 4940a29e5c (このIDを非表示/違反報告)
扇子(プロフ) - みつきさん» わ〜!!ありがとうございます!!嬉しいです☺️これからも楽しんでいただけるように頑張りますね!! (2022年6月2日 22時) (レス) id: 3dae27e4b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:扇子 | 作成日時:2022年5月19日 18時