22.先輩の奢り ページ22
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校内食堂に移動した私たちは食券販売機の前に立っていた。
ドヨン「わ…チーズとんかつもあるんですね!」
「うん。ドヨンくんはチーズとんかつにする?」
ドヨン「はい!」
彼の肯定の返事を聞いた私はとんかつとチーズとんかつのボタンを押して2枚の食券を購入した。
ドヨン「え?先輩?」
「毎回奢ってあげることはできないけど…今日は特別」
ドヨン「先輩!僕そんなつもりじゃ…」
「文学に熱心な学生へのささやかなご褒美です」
ドヨン「いや…そんなわけには…」
「ほら、席取りしよう!」
財布からお札を取り出そうとした彼を無視して、お冷を用意するように頼んだ。
まだ納得いかないような顔をする彼はしぶしぶウォーターサーバーに水を汲みに行った。
その間、私は先に席に着きスマホを確認したが、ジュンギュから一枚の写真とメッセージが送られてきていることに気付いた。
写真に写っていたのはかなり高そうなパスタだった。
[Aは何食べるの〜?]
あえて返信をする必要はないと感じたためスマホを机の上に置くと、いつ戻ってきたのか私の目の前には拳を握りしめたドヨンくんが座っていた。
まだ奢られる覚悟ができていないのだろうか。
「本当に気にしないで…もし気がかりならまた今度はドヨンくんが奢ってくれたら嬉しいです」
ドヨン「また今度…ですか?」
「うん、また今度!」
ドヨン「わかりました…次は絶対僕に奢らせてください!」
「うん、楽しみにしてる!」
ドヨン「はい!…あ、ところで先輩、僕気になることがあります」
「なに?」
ドヨン「聞いてもいいですか?」
「もちろん…何でもどうぞ」
何が気になってそんなに躊躇っているんだろう…
私は控えめな笑みを浮かべて彼の質問を待った。
ドヨン「昨日、先輩の隣にもうひとり男の先輩がいましたよね?」
「キムジュンギュのこと?私の同期で歴史学科の人だよ」
ドヨン「あの方は先輩の彼氏ですか?」
「…え…違うよ?」
恋愛は人とすべきであって、悪魔とするものではない。
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扇子(プロフ) - みさん» いえいえ!こちらこそ読んでいただきありがとうございます!これからも更新頑張りますね☺️ (2022年6月26日 1時) (レス) id: 3dae27e4b9 (このIDを非表示/違反報告)
み - 更新してくださりありがとうございます! (2022年6月25日 0時) (レス) @page47 id: 4940a29e5c (このIDを非表示/違反報告)
扇子(プロフ) - ゆゆさん» わ!ありがとうございます!!嬉しいです☺️ (2022年6月3日 17時) (レス) id: 3dae27e4b9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ - おもしろすぎて最高です! (2022年6月3日 1時) (レス) @page41 id: 4940a29e5c (このIDを非表示/違反報告)
扇子(プロフ) - みつきさん» わ〜!!ありがとうございます!!嬉しいです☺️これからも楽しんでいただけるように頑張りますね!! (2022年6月2日 22時) (レス) id: 3dae27e4b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:扇子 | 作成日時:2022年5月19日 18時