17.一番イケメンなのは ページ17
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「はあ…」
全ての授業を終えた私は疲れた体を引きずって帰宅していたが、少し先に見慣れた後頭部があることに気付いた。
「あ!ジュンギュ〜!」
声を聞いたジュンギュは振り返って私と目を合わせたが、それはほんの一瞬ですぐに何事も無かったかのように前を向き直した。
そしてなんとなく早歩きになった気がした。
「ねえ!なんで呼んだのに無視するのよ!」
ジュンギュ「…うるさい」
早歩きのジュンギュに、やっと追いついて隣に並ぶと、ジュンギュは私を見るなり露骨に嫌そうな顔をした。
今日一日私にくっついて離れなかった人間がほんの数時間でどうしてこんな態度をとるようになってしまったのか。
「なんか良くないことでもあった?ストレス?」
ジュンギュ「ストレス?馬鹿なの?」
「いつにも増して当たり強くない?他の人が今のジュンギュを見たらショック受けるよ」
ジュンギュ「Aにしかこんなこと言わないから他の人は知り得ない。だから安心して」
とんでもない。
私の事をなんだと思っているのだろう。
「安心できるか…相手を思いやる気持ちはないのかな?」
ジュンギュ「それはこっちのセリフだよ。俺と新入生どっちがイケメンかも答えられないで」
ジュンギュは苦虫を噛み潰したような顔でその話題を掘り返した。
「また新入生の話?本当に君は悩みがないんだね…もっと他に考えることあるでしょ」
ジュンギュ「Aに俺の何がわかるの?あいつは胡散臭いし雰囲気だけだし」
「雰囲気?顔もちゃんとイケメンだったよ?賢そうだし」
ジュンギュ「…やっぱりお前は見る目ないね」
まあ正直なところ、私は今まで生きていてキムジュンギュを超えるイケメンに出会ったことがない。
キムジュンギュは黙っていたら本当にイケメンなのだ。
そんな自他共に認めるイケメンのジュンギュだが、顔の話でこんなに熱くなるのは初めてな気がする。
ここらへんで解決しておかないと長引きそうだ。
「あ〜、もう!言わなくてもわかるでしょ!ジュンギュが一番イケメンに決まってんじゃん!」
ジュンギュ「…当たり前でしょ…今更すぎて呆れる」
言葉とは反してジュンギュの口元がぴくっと動いた。
イケメンと言われるのが本当に好きみたいだ。
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扇子(プロフ) - みさん» いえいえ!こちらこそ読んでいただきありがとうございます!これからも更新頑張りますね☺️ (2022年6月26日 1時) (レス) id: 3dae27e4b9 (このIDを非表示/違反報告)
み - 更新してくださりありがとうございます! (2022年6月25日 0時) (レス) @page47 id: 4940a29e5c (このIDを非表示/違反報告)
扇子(プロフ) - ゆゆさん» わ!ありがとうございます!!嬉しいです☺️ (2022年6月3日 17時) (レス) id: 3dae27e4b9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ - おもしろすぎて最高です! (2022年6月3日 1時) (レス) @page41 id: 4940a29e5c (このIDを非表示/違反報告)
扇子(プロフ) - みつきさん» わ〜!!ありがとうございます!!嬉しいです☺️これからも楽しんでいただけるように頑張りますね!! (2022年6月2日 22時) (レス) id: 3dae27e4b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:扇子 | 作成日時:2022年5月19日 18時