15.国文学科のキムドヨン ページ15
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ひと目でわかった。
同期が騒いでいたイケメン新入生が彼だということを。
つぶらな瞳で私を見つめる彼はあの日、同期が話していた新入生の特徴に合致していた。
ヒョンソク「Aどうした?ぼーっとして」
「え?いや、なんでもないですよ」
ジュンギュ「おい、新入生!気を付けろ!」
「は…」
ジュンギュ「この気が抜けてる先輩は君を取って食うつもりだ!ほら…目つきからして怪しいだろ!」
放心していた私がよっぽど滑稽に見えたのか、ジュンギュは初対面の新入生に最悪のイメージを植え付けた。
私の株を下げることでジュンギュにいったいどんなメリットがあるんだろう。
ドヨン「えっと…そんなことないと思いますよ?とても優しそうに見えます」
どうやらドヨンくんは分別のある良い子らしい。
気を遣わせてしまって申し訳ない。
ヒョンソク「ジュンギュ〜!なに言ってんだよ!
Aはそんな子じゃないだろ!
ドヨン、真に受けないでくれよ〜?」
ドヨン「はい…僕は慎重に人付き合いする方ですけど、怪しくは見えませんでした」
ヒョンソク先輩は私を庇ってくれたのかもしれないが、話題が話題なためにどんな顔をしてふたりの話を聞いていればいいのかわからなかった。
怪しくは見えないってなんだよ…
ヒョンソク「あ!ドヨン!
お前、文芸創作に興味あるって言ってたよな?
それならAと仲良くしといた方がいいと思うぞ〜!
Aは文芸創作のエースだからな!」
「先輩、やめてください…元々文芸創作に本気な人が少ないんですよ…」
ヒョンソク「謙遜するなよ〜、教授がどれだけお前を絶賛してたか」
ドヨン「え…先輩…そうなんですか?」
突然、目を輝かやかせて私を見るドヨンくんに身を縮ませた。
あまりにも眩しすぎる。
「いや、全くですよ…」
ヒョンソク「Aは謙遜してるんだよ」
ドヨン「そうなんですか…」
私を凝視するドヨンくんを微笑ましそうに見るヒョンソク先輩に微妙な気持ちになった。
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扇子(プロフ) - みさん» いえいえ!こちらこそ読んでいただきありがとうございます!これからも更新頑張りますね☺️ (2022年6月26日 1時) (レス) id: 3dae27e4b9 (このIDを非表示/違反報告)
み - 更新してくださりありがとうございます! (2022年6月25日 0時) (レス) @page47 id: 4940a29e5c (このIDを非表示/違反報告)
扇子(プロフ) - ゆゆさん» わ!ありがとうございます!!嬉しいです☺️ (2022年6月3日 17時) (レス) id: 3dae27e4b9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ - おもしろすぎて最高です! (2022年6月3日 1時) (レス) @page41 id: 4940a29e5c (このIDを非表示/違反報告)
扇子(プロフ) - みつきさん» わ〜!!ありがとうございます!!嬉しいです☺️これからも楽しんでいただけるように頑張りますね!! (2022年6月2日 22時) (レス) id: 3dae27e4b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:扇子 | 作成日時:2022年5月19日 18時