冬空の星2【イナズマイレブン】 (ページ23)

今日:6 hit、昨日:0 hit、合計:9,035 hit

Episode.41【★】ページ23

世界大会初めての試合は3日後。
オーストラリアとの勝負だ。

7月が始まった途端、町は七夕の色に染まってきていた。
今日はチームのみんなで七夕飾りをつくるんだ。
笹とかは…わかんないけどちゃんと見つかるでしょう。

お昼休みは長めの休み時間だったから、わたしは吹雪くんと七夕飾りの材料を買いにいった。
なんでかわからないけど吹雪くんは笹ゲットしてる。
よかった。これでちゃんとした七夕ができそうだ。

＊＊＊

「七夕も近いし、みんなで短冊にお願い事を書きましょう！」

紙はさっきわたしが内職して作った。
大変だったけどたくさんできたし、みんなもたくさんお願いできるね。

「隣、いいかな」

赤い短冊と水色の短冊を手にとって席についたときに、ヒロトくんに声をかけられた。
ちょっと嬉しいって思っちゃった。
勿論って頷いた。

「七夕でこうやってみんなで願い事を書くの楽しいね」

「うん！毎年こうやって短冊書くの楽しみにしてるんだ」

「願い事なんて書くの？って…それ…」

うん？そんなに変なことかいた？

「『ハンバーグたくさん食べたい』って…」

「だって美味しいんだもん、食べるのも作るのも好きだよ！」

「それにこの『今年の誕生日プレゼントもいっぱい欲しい』って…」

「だって欲しいんだもん」

「Aちゃんの誕生日って、いつ？それがわからないと貰えないんじゃ…」

「七夕だからお願いするんだよー」

そう。わたしの誕生日は7月7日、七夕の日。
毎年こうやって書いておけばたくさん貰えると思って書いてる。

「そっか、たくさん貰えるといいね」

「うん！ヒロトくんはなんて短冊に書くつもりなの？」

「世界大会、頑張れるようにかな？」

そっか。世界大会始まってるもんね。
大会も3日後だし。

「楽しみだね、世界と戦うなんて」

「そうだね、オレもすごくわくわくしてる」

最後はみんなで笹に吊るして、部室のところに立てかけた。
雨はこの先降らなさそうなので、安心して飾っていられる。

「さて、みんな帰りましょうか」

まだ明るいけれど、もう5時半を過ぎていた。
短冊書いてる時間とか飾りを作るの、楽しかったなぁ。

「じゃあAちゃん、また明日」

「うん、ヒロトくんもまた明日ね」

そういえば、笹に飾ってある短冊のなかに、結びつけられた短冊のようなものもあったなぁ。
わたしも秘密のお願い事はそうやって飾ればよかったな。