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~9~ ページ9

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「はいっ」



塀に腰掛けた高い位置から



彼の方に手を差し伸べる



「助け合いって言ったでしょ?

今度はあなたがのぼる番よ」





相変わらずポケットに手を突っ込んだまま


こっちを見上げてるポーカーフェイス



くりくりした大きな目に

長い睫毛

ぷっくりした唇


かわいい顔してるなぁ……



って、違う違う!!!


「ちょ、ちょっと!早くしないとバレるでしょ!」



そう急かすと、



また例の含み笑いをする




と思ったら


持っていたカバンをひょいっと


塀の向こうに投げて



ふわっと 軽々と1人で塀にのぼって



すとんっ と向こう側におりた



なによ、運動神経いいのね……



またなんか私だけ恥ずかしい……



下をうつむいてたら


目の前にサッと出された手






「…助け合い なんでしょ???」





「っ!!!!


別にこれくらい1人でおりられるから!!!」



「あっそ」


じゃ って 塀の上にちょこんて座ってる私を置いて


スタスタ歩いていく





1人で降りられるとは言ったものの……



結構高い……



「……ね、ねえ!!!


ちょっと!待って…」



足をとめて 顔だけこっちに向ける彼



「ちょっとだけ…………


手伝ってくれない…?」




バツが悪そうに頼むと




そんな私を見て

ハハッ て小さく声に出して笑った



あれ 含み笑いじゃない


こんな風にも笑うんだ この人




こっちにゆっくり歩いてきて


私の横にあった 靴を片方取る



「はい お嬢様」





少しふざけた顔して



口角を少しだけあげて


靴を履かせてくれる




両方履いた後



「はい」



って両手を広げて私の方に差し出してくれた



うそ……



なんで私ドキドキしてるんだろう



ゆっくり



ゆっくり



その手の方に近づいて



彼に体を預けて



地面におりた



身長小さめだと思ってたのに


腕の中はしっかりしていて


不覚にもドキドキがとまらなかった



ちょっと なんで私ドキドキしてるんだろう




「あ ありがとうっ!!!


じゃあ 教室行くから!!!!


キミもちゃんと行くんだよ!!!


じゃあね!!」



恥ずかしさから急いでその場を去って教室へ向かった




.

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作者名:Keiko | 作成日時:2015年10月17日 12時

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