君色に染めたい (ページ29)

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『そんでさ、ガブって』

『まるで狼に食われたみたいに』

菜「マジかぁ」

今私は菜穂の家にお邪魔している。

さっきの会話はモトキからされたあの時のこと。

『自分で話すとより恥ずかしいや///』

菜「大丈夫なの？」

『何が？』

菜「前はシルクシルクってうるさかったじゃん。」

『今はモトキなの！』

菜「モトキもいい人だもんね。」

菜「まさかあのモトキが狼になるとはね…」

『ちょっと驚いたけど、うれしかった。』

『私に本性を表してくれたんだよ？』

菜「そうだね。」

菜「今のA見て安心した。」

菜「モトキならいいかもね。」

『うん！モトキならいいんだ。』

『で、菜穂はマサイとどうなの？』

菜「いつもマサイにはドキドキさせられてる。」

菜「幸せ。」

『まあ、菜穂とマサイは前からラブラブですからね～』

菜「うるさい///」

『あらまぁ菜穂ちゃん照れちゃって。』

菜「私だってキスはしたことないよ！」

えっ？

『ええええええええええええ？？』

『マジ？』

菜「て言ってもほっぺにはされたことあるけどね。」

『唇には？』

菜「まだ…」

『これは菜穂キス大作戦でもやりますか！』

菜「なにそれ？」

『好きな人とはやっぱキスしたいでしょ？』

菜「し、したいです…」

『じゃあこの作戦決行だ！』

菜「どうすればできますかね…？」

『マサイなんか手強そうだからな…』

『どうしましょうか。』

菜「Aが先にお手本をやってください！」

菜「私はそのやり方を真似する！」

『お手本！？』

『無理だよそんなの…』

菜「Aがやったやり方でやれば多分大丈夫だから、お願い！」

『うーん。しょうがない。菜穂のためならやる！』

菜「ありがとう～！！」

菜穂のために一皮剥けようか。