花のち晴れ~鮮やかな空~ (ページ2)

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episode 1 ページ2

「Aさん、ごきげんよう」

と、あたしが通るだけでみんなが挨拶をしてくる。
こんなのいいのにね、あたしは普通の人なのに…って思いつつも…

『みなさん、ごきげんよう』

教室に着くと、音が既に席についてお話をしていた。

『音～、おはよう♡』

音「あ、おはよう!!」

なんて、ふたりの挨拶はいつもこれ。

なのに、周りは"なにその挨拶～"って馬鹿にしてくる。

「庶民狩りだぁぁぁぁあ」

廊下のほうから聞こえてくる叫び声。

"庶民狩り"と言うのはこの学園を仕切っているC5というブラックジャケットを羽織っている5人組。

「庶民狩りが始まるぞおー！
この2年D組の誰かが庶民狩りされるぞ！」

クラスメイトの男の子がそう言って入ってきて、あたしと音は顔を合わせた。

音の顔は、青ざめていく…

( _'ω')_ﾊﾞﾝｯ

晴「2年D組小松原拓だな。」

海斗「昨年度から寄付金ゼロ。どういうことか説明を…」

拓「父の会社が上手くいってなくて…」

クラスメイトの小松原くんが説明しているのに、神楽木晴は"退学届"をだしてきた。

晴「庶民狩りに…例外はない。お前は英徳の品格を損なった。英徳に庶民はいらない。24時間以内に退学届を持って立ち去れ。」

神楽木晴は退学届を机に置き、教室からでていこうとした。

小松原くんが後を追うように椅子から立ち上がったら栄美杉丸が180°回って寸止めのパンチをくらわせようとした。

小松原くんはそのまま座り込んでしまって…

愛莉「みんなもちゃんと寄付よろしくね。
じゃないと……庶民狩りしちゃうから♡」

C5がでていったあとに、小松原くんは泣いてしまってクラスメイトはみんな小松原くんに酷いことをたくさん放った。

そんなの見ていられなくて、あたしは小松原くんにハンカチを渡した。

拓「あ、ありがとうございます」

『どういたしまして』

「Aさん、なんでこんな貧乏人に優しくするの」

『だってクラスメイトだもん。優しくするよ。
それに言いますけど、みんなも貧乏人よ？笑』

「は？」

『小松原くんは、ご両親によって左右されてしまっただけだもの。みんなだって、ご両親にお金を貰っているからお金を持っているだけ。自分で働いて稼がないとお金を持っているなんて言わない。所詮みんな貧乏人。』

音「たしかに…」

黙ってしまうクラスメイト。言い過ぎちゃったかな…