【M!LK】漂流シアター～Winding Road～ 3 (ページ9)

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太智「考えられるとするなら……未完成の映画の中に僕達が入り込んでしまったのなら、この映画を完成させれば……」

勇斗「そうか……。この映画が完成して、終われば……」

A「私たちは元の世界に戻れる……？」

太智「分からないけど……」

舜太「完成って……どうすればええん？
この映画って、どうすれば終わりになんの？
今から皆でこの映画は終わりましたって言えば終わんの？」

夏生「やってみましょ？この映画は、これで終わり！
私達は元の世界に戻って、幸せに暮らしました！
はい！終わり！」

けれど、その後に皆続いてそう願ったのだが、結局は何も起こらず、俺達の目の前には相変わらず殺風景な砂漠が広がるばかりだった。

太智「やっぱり、ちゃんとした結末を迎えないとダメなのかも……」

舜太「ちゃんとした結末って？アクション映画やったら、なんか悪者倒してめでたしめでたし。
ミステリーなら謎を解き明かして終わり。恋愛なら二人が結ばれてハッピーエンド。
でも、この映画は何なん？ただ砂漠の映像が流れてるだけ……。
ジャンルも何も分からんし……」

太智「それを、僕らで考えてストーリーを決めるしかないんじゃないのかな……？」

舜太「……一から？」

太智「うん……」

勇斗「どんなストーリーかなんて、もう初めから決まってる……」

舜太「え？どんなんです？」

勇斗「それは……俺達が元の世界に戻って終わるストーリーだ」
　