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しばらく誰も、何も言葉を発しない。
今の映像を理解するのに、皆相当時間がかかっているのだ。
もちろん俺だって、まだ半分も理解できていない。
色んな情報が一気に流れ込んできたせいで、頭の中は大混乱。
何から整理していけばいいんだ。
つまりは、この世界が砂漠になってしまったのは、バクテリアに分解されたから？
この砂漠の砂は、分解された建物や、人や、生き物や、植物の、なれの果て……？
そして、ここは2030年、それか、それ以降の世界……？
要点を押さえるとするならば、こういうことだろうか。
夏生「こ、これって、実際の話じゃないんだよね？
映画の中の話だよね？！」
もちろん、映画の中でこういう過去があった、そういう話だろう。
実際に俺達がいたあの世界とは、まったく違う話に決まっている。
太智「そうとも、言えないかも……」
仁人「は？どういうことだよ？ここは映画の中の世界なんだろ？！」
太智「そうだけど、でも、勇斗さん、言ってたよね？
途中で映画のポスターを見つけたって……」
勇斗「言ったけど……？それが、何だって言うんだ……？」
太智「僕その映画、知ってるんだ。
もちろん、僕達が元居た世界ではまだ上映されてないけど、でも、撮影は始まってる。
それにタイトルも、出演者も、皆勇斗さんが言っていたのと一致する……」
仁人「だから、それが何だってんだよ？！」
太智「架空の映画ならまだしも、現実の世界の映画を、わざわざ別の映画の中に仕込むとは思えない……。
ってことは、この映画自体、現実に沿ってるんじゃないのかな……。
つまり、ここは映画の中の世界。
だけど、この映画は、もしかしたら、僕らの世界の……
未来を描いた映画なんじゃないのかな……」
仁人「は、はぁ……？
じゃあ何か？
もし俺達が元の世界に戻れても、未来では今の映像と同じことが起こるとでも言いたいのか？」
太智「うん……」
仁人「馬鹿じゃねえの……？んなこと、あるわけ……」
A「待って……。太智君の言ってること……もしかしたら、本当かも……」
勇斗「また……？今度は何だよ……。何か心当たりでもあるのか……？」
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作者名：milkssss | 作成日時：2020年9月6日 17時
