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2024年。
アメリカ、オーストラリア等数か国で、1夜にして周辺が砂漠化するという怪現象が相次いで報告された。
いずれもあのバクテリアによって引き起こされた可能性が高い。
世界各国で謎の砂漠化現象が相次いで起こる中、さらなる衝撃の事件が起こることになった。
台湾で、謎の奇病発生。
突然の高熱を伴い、鼻血などの軽微な出血。
そして、翌日には人体の一部が細かな粒子に分裂し、崩壊したという何とも信じがたいものだった。
患者はすでに右腕が崩壊し、ベッドで痛みにうなされる映像が世界各国に流されることになった。
そして、その患者は1日と持たず死亡。
更には、その死体は物の1時間ほどで、砂のように全身が崩れ落ちていったというのだ。
同年、その死体の調査を行った調査チームから、驚くべき事実が発表された。
『採取された粒子の中から、未知のバクテリアを発見した』と。
間違いなく、あのバクテリアだった。
初めはなんてことはないただの無害なバクテリアを、私たちは、無機物、有機物問わず、全てを分解し、砂に変えてしまう、恐ろしい悪魔のバクテリアに変化させてしまったということだ。
それを培養し、数を増やし、あまつさえ世界中にばらまく結果となってしまったというのか。
その年、人体が砂になって死亡する怪事件は、数千件にも及んだ。
翌年、世界各国でこのバクテリアに対するワクチンが開発されたが、どれも効果はなく、バクテリアに共通する嫌気性すら、このバクテリアには見られない。
つまり、このバクテリアに対する対処策が、見つからない。
核物質さえ無力化するこのバクテリアに、そもそも何が効くと言うのだろうか。
人類を救う神の一手だと思っていたのに、ふたを開けてみれば、なんてことはない。
ただの全てを破壊する悪魔の一手。
それに、我々人類は成す術などありはしない。
人類だけでなく、動物も自然も何もかも、この悪魔にどうすることもできないのだ。
いや、こんなものを作り出してしまった私達こそが悪魔だったのかもしれない。
そして、私たち人類はこの悪魔のバクテリアによって、みるみるその数を減らしていった。
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作者名：milkssss | 作成日時：2020年9月6日 17時
