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それらをずらずらとホワイトボードに書き出してみたのだが。
勇斗「……だから何だってんだよ……」
当然、行き詰まる。
普通に考えれば、こんなものがこの映画館を除いて砂漠になってしまったことの説明になるわけがない。
仮にここが映画の中の世界、だとしても、同じ感想になるだろう。
いくら考えたって、答えに辿り着けるはずがない。
やはり、あの柔太朗と言う青年にからかわれているのではないだろうか。
初めから答えなんてなくて、俺達の困り果て、絶望する姿を見て、あざ笑っているんではないだろうか。
仁人「だから言っただろ、無駄だって……」
勇斗「……」
諦めたくはないけれど、かといってこれと言った手立てもない。
本当に、考えるだけ、無駄なのかな……。
夏生「空が動いてないなんて、なんだか一時停止してるみたいだよねー……」
勇斗「一時停止……？」
夏生「うん。ほら、家でDVDとか見てる時、よくやるでしょ？
もしここが映画の中なら、そんな風にこの映画も止まっちゃってるみたいだなぁって……」
仁人「またお前はそんな馬鹿みたいなこと言いやがって……」
映画が、止まってる？
一時停止……？
太智が言っていたように、ここがもしも映画の中の世界なら。
何故雲が動かず止まったままなのか。
何故時間が進まず、ずっとこの空なのか。
その答えは、この映画が、
止まっているから？
勇斗「もし仮にそうだとしたら、何で……止まってるんだ……」
A「うーん……」
夏生「太智君なら、何て言うかなぁ……」
舜太「映画好きやもんねぇ、太智さん……」
確かに太智なら、俺達にない感性で映画を観ているから、何か思いついてくれるかもしれない。
今だって、あの映画を絶賛視聴中のはずだ。
勇斗「よし、太智の事、呼びに行くか」
と、今まで手に持っていたホワイトボード用のペンを置いて倉庫を出ようとしたその瞬間。
扉の前に、今から呼びに行こうと思っていたまさにその人物がふらっと立っていたのだった。
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作者名：milkssss | 作成日時：2020年9月6日 17時
