【M!LK】漂流シアター～Winding Road～ 3 (ページ22)

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何だこれは。
こんなの映っていたか？
いや、俺はこの場にいたはずだ。
こんなことに、なっていたのか？

スクリーンに映るのは、俺と舜太、そして、仁人がたどり着いた地割れの映像。
けれど、映っていたのはそれだけじゃなかった。
地割れの底に、薄っすらと見える。

勇斗「建物……？！」

そう、地割れの底に、何かの建物のような影が見えたのだ。
あの時は、真っ暗で何も見えなかったのに、明々と映し出されるスクリーンには、薄っすらとだが、建物が映し出されているのだ。
もしかしてあれは、地割れなんかじゃなく、地下へ通じる入り口だったのか？
この映像が本当に俺達が見て体験したことが映し出されているのなら、またあの場所へ行けば、この建物があるはずだ。
しかも、あの時と違って、今は太陽が昇り降りして、雲がかかっているとはいえ、比較的昼間は明るくなっている。
あの時見えなかったものも、今だったら見えるかもしれない。

柔太朗「何か……見つけたかい……？」

勇斗「あぁ……」

柔太朗「それは良かった……。映画を観るのも、たまにはいいものだろう？」

それに関しては答えかねるが、けど、確かに違うものを発見できたことで、喜びを感じていた。
この建物に行けば、何かあるかもしれない。
そう思うと、居ても立っても居られない。
ワクワクという表現が適切かどうかはわからないが、俺は、そんな胸の高鳴りを感じていたのだ。
明日、朝を迎えたら、またこの場所へ行こう。