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夏生「仁人？どうかした？」
仁人「何の冗談だこれ……」
一体、彼は何を見たのか。
俺は気になって、仁人のスマホを覗き込んだ。
後ろから、名前と舜太と夏生さんも同じようにスマホの画面をのぞき込む。
勇斗「え……？！」
するとそこには、信じられないものが映し出されていた。
2030年 月 日
10:46
確かに、彼のスマホにはそう表示されていたのだ。
勇斗「2030……年……？！」
舜太「何で……？！今って、2020年……やんな……？」
夏生「え？わ、私のスマホも、2030年になってる？！」
A「そんな……。私のも……」
皆、それぞれ自分のスマホを確認しだし、驚嘆の声を上げている。
俺もすぐさま自分のスマホを取り出して電源を入れた。
勇斗「嘘だろ……」
俺の手の中のスマホに表示された日付も、2030年の表記。
そして次の瞬間、俺のスマホはバッテリー残量が無くなり、電源が切れて真っ黒の画面に切り替わったのだった。
スマホの日付は、ネットで自動的に日時を合わせてくれる機能が付いている。
その日付が狂うことなんて、滅多なことでは起こらない。
しかし、さっきの表示はどう見てもおかしかった。
ありえない。
10年も先の日付が表示されるなんて、どう考えてもあり得ない。
しかし、俺一人だけならまだしも、ここにいる全員のスマホがその表示になっていた。
こんなことがあるだろうか。
舜太「た、多分、ここの電波おかしいんですよ……。だって、ネットにも繋がってないのに、時間合わせられるわけないし……」
夏生「そうよね……。きっとネットに繋がってないから、時計の機能もおかしくなっちゃったんだ……」
勇斗「……」
そうなのだろうか。
しかし、確かにここでは、ずっと圏外だった。
電波で時間を合わせると言うのなら、圏外じゃどう考えても合わせられっこない。
その為、スマホが誤動作して、あんな表示になってしまったんだろう。
これ以上、変なことに頭を使うのは、辞めるべきかもしれない。
勇斗「は、話し戻そう……。っていうか、何の話だっけ……」
突然の2030年問題に、俺はさっきまで何を話していたのかしばらく思い出せなかった。
確か、柔太朗の言っていた言葉の意味を考えていたはずだ。
A「時間が止まってるんじゃないかって話……」
勇斗「あ、そうだった……」
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作者名：milkssss | 作成日時：2020年9月6日 17時
