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仁人「馬鹿々々しい……」
夏生「でも本当に見たんだもん……」
ここは薄暗いし、見間違え、と言うことの方が可能性は高そうだが、果たして。
けれども、俺達には、そんな実害の無い白い幽霊よりも、この砂漠やあの映画について、もう少し掘り下げて考えていくことの方が重要なんだ。
勇斗「とりあえず、気分を紛らわせるために、ご飯にしよっか……」
舜太「あ、じゃあ俺が取ってきますね」
勇斗「うん。よろしく」
ここで俺達は、今日の食事にすることにした。
決して多いわけでもないけれど、何か口にすることで、栄養を少しでも採って頭に血を巡らせることにしよう。
30個あったホットドッグは、昨日の朝皆で食べた分と、太智が2つ食べてしまったので、残るは27個。
13.5日分。
多いようにも見えるけれど、この砂漠での未来は、まだ何も切り開けていない。
今日ぐらいには、もっと何か進展が欲しいところだ。
それにしても、ここから見える外の景色も、相も変わらずどんより曇り空の薄暗さ。
太陽の光が差し込むか、せめて雨でも降ってくれればまだ気分も違ってくるだろうに。
勇斗「何でずっとこの空なんだろうな……」
俺は、自分でも気づかなうちにそうつぶやいていた。
舜太「わぁあああ！！」
するとその時。
2階から、今度は舜太の悲鳴がこの映画館に響き渡ったのだ。
次から次に、今日は一体何なんだ。
とにかく、彼の安否を確かめるべく、俺達は階段を駆け上がり、厨房の方へと急いだ。
勇斗「舜太？！どうした？！」
舜太「あ、あぁ……あの……」
厨房の中で、舜太が尻もちをついて、何やら震えている。
勇斗「何があったんだよ？！」
舜太「お、俺も……見てもーた……」
勇斗「見たって、何を？」
舜太「白い幽霊……」
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作者名：milkssss | 作成日時：2020年8月11日 17時
