【M!LK】漂流シアター～Winding Road～ 2 (ページ35)

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冷たい風が吹き、分厚い雲が覆って、日の光がほとんど地上に降り注がない薄暗い空。
一面に広がる砂漠の真ん中に、ここの景観には不釣り合いにポツンと佇む一軒の映画館。
その映画館に、悲鳴が響き渡る。

夏生「きゃああ！！」

その悲鳴によって、眠りについていた映画館は今日も目を覚ます。

勇斗「なんだ！？」

A「今の悲鳴、夏生ちゃんの悲鳴じゃない？！」

映写室で飛び起きた俺とAは、慌てて部屋を飛び出し、ついでにシアターの一番前で同じように飛び起きたばかりの太智を連れて、悲鳴が聴こえた方へと向かった。
その途中で、舜太も売店から飛び出して合流したところで、俺達4人は悲鳴のしたトイレの方へ急いだ。

A「夏生ちゃん？！どうかしたの？！」

すると、夏生さんが真っ青な顔をしてトイレから飛び出してきたところだった。

夏生「あ！Aさん！！それに皆さんも……！」

彼女を見て見るが、顔面蒼白以外は、怪我などしてる様子はない。

仁人「夏生！！どうかしたのか？！」

倉庫からも、仁人が血相を変えて飛び出してきて、夏生さんを囲んでここに6人全員が揃った。

夏生「仁人……！怖かったよぉ……」

仁人「おい、どうしたんだよ？！何かあったのか？！」

泣きじゃくりながら、仁人に抱きつく夏生さん。
一体何があったんだ。
そんなに怖い体験をしたって言うのか？

夏生「実はさっき―」

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