【M!LK】漂流シアター～Winding Road～ 2 (ページ31)

今日:2 hit、昨日:1 hit、合計:7,275 hit

31 ページ31

その日の上映予定だった映画は全部で4本。
そして、俺達が観ていた映画は、その日の一番最後に上映する奴だったみたいだ。

1番目が「赤夏」
2番目が「シグナル800」
3番目が「2D彼氏」
4番目が「―の―へ」

舜太「あれ……？文字掠れてる……。昨日まではちゃんと書いてあったはずやのに……」

ひらがなの「の」と「へ」以外の文字は、どうやらかすんでしまって文字が潰れて読めない。
舜太も、何が書いてあったのか、覚えていないそうだ。
そこで俺達は、映写室に向かい、フィルムのケースを確認することになった。
そこに、この映画のタイトルも書いてあるはずだと言うのだ。
けれど。

舜太「あかん……。このケース、何も書いてない……」

A「普段はどうやってフィルムの管理をしてるの？」

舜太「週ごとに、こっちが発注したフィルムが送られてくるんです。
それを俺が順番に入れ替えて流してるんですけど……」

夏生「伝票とか、ないの？」

舜太「発注してるのはオーナーやし、伝票も全部オーナーが持ってます……。
俺はただフィルムの入れ替えしかしたことなくて……」

夏生「そっか……」

ということは、この映画についての情報は、どうやらこれ以上期待できそうにない。
謎は深まるばかり。
しかしその時だった。
ずっとスクリーンを見つめていた仁人が、突然血相を変えて映写室に飛び込んできたのだ。

仁人「おい！あれ見て見ろ……」

指差す先に映し出されていたもの。
それに、俺と舜太は息をのんだ。

勇斗「あれって……！」

　