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しかしながら、底は真っ暗で、何も見えない。
当然、日の光もほとんど照っていないのだから、見えるはずがない。
舜太「はぁ……何もなしですね……」
勇斗「……」
ここまで来て、何の収穫もなし。
そんな現状が、俺にはなんとも居た堪れない。
このままじゃ、この砂漠が何なのか、分かることもなく、俺達は飢えで死ぬのを待つばかり。
何でもいいから、手掛かりが欲しい。
舜太「もう、帰ります……？」
勇斗「いや、もうちょっとだけ、もうちょっとだけこの辺見てみる……」
舜太「じゃあ、先に車戻っときますね……」
半ば意固地になって、俺は地割れのあたりを何かないかと探していたけれど、そんな俺を見かねたのか、舜太はそそくさと車に戻っていってしまった。
何とも虚しいものだった。
きっと何か見つかる、そう信じて車を走らせていたけれど、結局は何も見つからず、無駄にこんなところまで来てしまっただけ。
いくら足元の砂を手で掘ってみても、出てくるのは溢れる砂ばかり。
そもそも、俺は何が見つかれば満足するのだろうか。
ここは映画の世界です、と書かれた紙でも見つかればいいのか。
それとも、日本は爆撃されて滅んでしまいました、とわかればそれでいいのだろうか。
段々、俺は何をしてるのかわからなくなってくる。
何をしてるのか、何がしたいのか。
この砂漠の中では、俺の当初の目的も、何もかもこの砂と同じように風に流されて消えていくような、そんな気がした。
勇斗「はぁ……」
そして、自然と漏れたため息さえも、手に握った砂と同じように、さらさらと風にのって消えて行ってしまった。
舜太「うわっ？！」
その時だった。
俺が乗ってきた車の方で、舜太の悲鳴のような声が聞こえてきたのだ。
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作者名：milkssss | 作成日時：2020年8月11日 17時
