【M!LK】漂流シアター～Winding Road～ 2 (ページ2)

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彼女は泣きながら仁人にやめるように懇願していた。
でも、当の仁人はそんなAの言葉などに耳を貸さず、夏生さんにしてたのと同じように、Aを犯そうとしていたのだ。

仁人「黙れよ！もうこの世界は滅んでんだよ！ならもう俺だって好き勝手やってやるよ！！もう助からないんだから、死ぬ前に好きなことやったって、いいじゃねえかよ！！」

A「やめて！！お願いします！！やめてください！！」

勇斗「A……！！やめろ！！！やめろって！！！」

真っ白になった頭が、今度は段々と沸騰して、熱くなって、怒りがこみ上げて、爆発しそうなぐらいおかしくなっていった。
扉に張られたバリケードを崩そうと、何度も倉庫の扉に体当たりし、段々とそのバリケードが崩れてきたようだった。
少ししか開かなかった扉が、段々とその入り口を広げていく。
もう少し、もう少しで中に入れる。
けれど、その間にも仁人はAの体をまさぐり、着ている服をどんどんとはだけさせていく。
露わになっていくAの色白の体。
それだけで、俺は仁人に対して、いや、これまで他人にそんな感情を抱いたことなどないような、恐ろしく醜悪な感情が湧き上がっていた。

勇斗「A……！！」

俺のA。
俺だけのA。
俺だけのAの裸。
俺が犯したいAの体。
俺だけが犯したいAの裸。

それが今、目の前で他人に穢されていく。

A「やめ……て……」

仁人「俺達、どうせここで皆死ぬんだよ……。もう、どうでもいいじゃん……」

やがて、Aの上半身を剥いた仁人の手が、彼女のショーツに掛かった瞬間。
俺の渾身の体当たりが倉庫の中のバリケードを吹き飛ばし、扉がはじけるように勢いよく開いた。

勇斗「A！！！」

倉庫の中に転がり込む俺の体。
あまりの勢いに前のめりに倒れそうになる足を踏ん張り、俺は全力でAに覆いかぶさる仁人の体を突き飛ばした。
けれど、今の俺はそれだけじゃ収まらない。
自分でこの湧き上がる感情をコントロールすることが、もうできない。
こいつを、どんな手を使っても痛めつけないと、俺の気はすまない、そんな気がした。
だから、気が付けば、突き飛ばされて倒れこんでいたこいつの胸倉をつかんで無理矢理立たせると、その頬を思い切り殴りつけていた。