風に乗って来たのはアイドル【ARS Satoshi.O】PART1 (ページ5)

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5. ドキドキ～智side～ページ5

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話しかけられたあの日から、なかなかあの釣具屋に行けなくて

無性に娘さんに会いたくなった。

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久々のオフで、釣具屋に行く道を歩いていると

舞い散る桜がきれいで、思わずよそ見しながら歩いてしまった。

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したら、

「ぎゃっ!!」

って女の子の声。

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マスクに帽子だから、俺超怪しい。

だからか、向こうもすんごい頭下げてる(笑)

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てか、これ、娘さんじゃない？

智「娘さんだ」

そう言った瞬間に、パッと顔を上げて

目をまん丸に開いた。

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あ「あ、あの…」

智「いつもお世話になってます(笑)」

俺を見て、アワアワしてる彼女。

なんなんだろうな、この気付いてるのかそうじゃないのか分かんない反応。

あ「えっと、その…」

智「これからどっか行くの？」

あ「髪、切りに…」

そう言って、目にかかりそうな前髪をいじった。

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その瞬間の上目使いに、なんだかドキドキして

思わず目を逸らした。

逸らした、けど…

まだドキドキする。